美しい働き方
その土地の景色に溶け込む職場づくり
ランドスケープデザインコース 稲毛 綾
「美しい働き方」と題した本テーマは、働く環境にランドスケープの視点を重ね、人の働き方と自然環境の共生、さらに人・組織・地域の関係を育てる空間のあり方を探るものである。働く場所(オフィス)はこれまで生産性や利便性を中心に都市へ集約され、高層オフィスという形式が象徴的な価値を持つようになってきた。一方で、働き方の多様化やエンゲージメントへの関心の高まりの中で、働く環境の質や人と組織の関係のあり方は見直されつつある。
こうした時代背景の中で、郊外において空き家の増加が課題となる状況に着目し、空き家の活用を通して、地域の環境保全や自然と共生した職場づくりと働き方を提案する。
設計では、自然風景の残る郊外の対象地の中で、特徴的な川沿いの住宅をリノベーションしたオフィスにすることを想定し、周辺の未利用地をオープンスペースとした。オフィスを拠点に街の景観維持や環境保全に関わる活動を行い、社員が自分の手で植物を育てることで自然や四季の移ろいを感じながら働き、植物のみならず地域・社員同士、人と組織の関係性も育てていく空間としている。
都心とは異なる自然風景の中で、雑木に囲まれたオフィスや草花の景色とともに働く環境をランドスケープデザインによって創出し、自然や人との関係性を感じながら働くことで、働く時間そのものに豊かさや愛着が生まれると考える。
日常的な働く場所において環境と関係を育てる本提案は、これからの働く場所や働き方のあり方を問うものである。
川沿いの緑の中のオフィス空間
川沿いの緑の中のオフィス空間
※本提案のリノベーション対象は特定の空き家を示すものではなく、空き家の活用を前提とした働く場のあり方を検討するための想定モデルとして設定している。
※はちみつ店との連携は地域活動の可能性を示す例示として設定したもので、具体的な協働を前提とした計画ではない。
稲毛 綾
ランドスケープデザインコース
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