岡山県井原市美星町 「水路観測所」「共同牧場」跡地の再生
日常から離れ、星と自然に寄り添うひとときを。
ランドスケープデザインコース 渡邊 花帆
忙しい毎日。
空をゆっくり眺めたことはありますか。
現在、過剰な人工の光によって、世界人口の3分の1以上、日本では人口の7割の人が、天の川を見ることができないと言われています。
都会の喧騒から離れ、自然と星空に包まれながら、心と体をゆるめる旅へ。
オーバーツーリズムにならないよう、人数制限に配慮した宿泊所を設置し「癒しの空間」をつくります。
|コンセプト
日常から離れて、自然の中で星を観る。「豊かな時間」を提供する場所作り
|対象地
かつて共同牧場として運営されていた大倉牧場跡地と、海上保安庁水路観測所跡地の星空公園を対象地にしました。
牧場の広大な敷地は人が集まる場所として、星空観測に向いた水路観測所は、星をゆったりと観る場所として、ゾーン分けして、設計しました。
|美星町のまちづくりについて
美星町のまちづくりの発展の歴史をたどると、海上保安庁の水路観測所が倉敷から移転したことにはじまります。
倉敷市の光害がひどくなり、星が観測しづらくなったことがきっかけで、美星の「星の郷観光構想」が広がり、美星天文台が開館しました。
美星町は国内で「光害」が一般的でなかった時代から、星空観測に影響がないように自宅のカーテンを閉めて光を漏らさないなど、住民が誇りと自信を持ってまちづくりに取り組んできました。
岡山県出身ですが、1年前に初めて美星町を訪れました。星空に集中する体験は、非日常で豊かなひとときでした。地域の素晴らしい資産があるこの町を、もっと魅力のある場所にしたいと思い、対象地にしました。
空の広場の平面図:西側がメインの入り口で、宿泊所は勾配の低い南側に配置することで、光害に配慮します。
星空公園の平面図:星空公園は要素を少なくして、星に集中できる空間にします。
芝生でお昼寝、ハーブデッキをお散歩、ハーブ湯でリラックスして、ランタンを借りて探索しながら星空公園へ、宿泊施設で休んで、日の出を見つめる朝。昼から夜、そして朝へ、時間そのものが体験になる場所へ。
四季の植物盤:回転すると、季節で楽しめる植物の香りを確認できます。
卒制では自分が深く関わったことのない地域を対象地にしたいと考え、地域に通い模索しながら制作を進めました。この制作に対する想いが、少しでも美星町の未来に繋がることを願っています。
渡邊 花帆
ランドスケープデザインコース
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