文芸コース 森本祐子
この大学でどんなことを学び、卒論にどんな小説を書くのか、入学当初の私はワクワクしていた。そして、題材にしたのは廃校を活用して働く女性たちの奮闘と、そこに集う人々だった。過疎をかかえる地域で何か楽しいことを提供したい。その一つとして読書会を行った。本の感想や意見を自分の経験とも合わせながら語り合っていく。私自身が読書会に参加したことがあり、本の読みが他の人と共通している部分や違う部分、新たな読み解きなどを発見することが楽しかった。その魅力をどうにか小説にしようと考えた。
この小説を書くにあたって思わぬ人物が私を助けてくれた。それは、薪を背負い働きながら本を読んでいる二宮金次郎である。私は金次郎の銅像を小学生の時から見ていたが、その姿しか知らなかった。今回はじめて、その後の金次郎を調べた。勉強したことを活かして人々を救ったことを知り、金次郎のとりこになってしまった。小説の中で、その銅像は何度も登場する。
二宮金次郎や読書会の一つ『たけくらべ』の樋口一葉など時を超えた人との出会い、ご指導いただいた先生方の助言もあり、一つの小説を書くことができた。今、しみじみと喜びを感じている。
滋賀県
大人の学校
森本祐子
文芸コース
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