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アートライティングコース 唐杉雪子

 北原白秋の「落葉松」は大正10年に、白秋が軽井沢を訪れた時の印象をもとに詠んだ詩です。後に北原白秋の詩に後藤惣一郎氏が曲をつけた合唱曲『から松』は、中学生の音楽の教科書に採用されて、中学生だった私は同級生たちと合唱曲を歌いました。その経験は郷里の風景の落葉松林を、私にとって特別な存在としてくれたように思います。もし『から松』を歌っていなければ、長野県の高原の景色も、その後の人生における自然との関わりも、みな違った味わいになったかもしれません。 しかし白秋は『水墨集』の「落葉松」の〔中扉裏〕に「落葉松について」という一文を記し、「落葉松」は声に出して歌う性質のものではないとしています。ここには疑問が残ります。     
 そこで卒業研究の題材を求めたとき、白秋の「落葉松について」の一文が意図するものと、後藤氏の合唱曲『から松』とのかかわりに焦点を当てて追求してみようと思い立ちました。果たして後藤氏の合唱曲『から松』は、白秋の「落葉松について」の意に沿うものであったのか。なぞを解明して 言語化するというプロセスは、「落葉松」の詩の理解を深め、軽井沢の落葉松の林の表現にも繋がってゆくのではと考え作品とすることにしました。


富山県

北原白秋の詠んだ軽井沢―「落葉松」の林の道をたどるー

唐杉雪子

アートライティングコース

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