芸術学コース 日裏 司
なぜ西洋絵画に裸体画が多いのかという疑問をフェミニズム・ジェンダーの視点で研究することにした。最初に2点のゴヤ作《裸体のマハ》《着衣のマハ》について調べた。画家ゴヤは職人としてパトロンである権力者からの依頼に従って描かれた。《着衣のマハ》はカモフラージュであり観者が誰かによってによって機械仕掛けで架け替えられた。その結果ゴヤは異端審問所からの検問をうけ宗教裁判にかけられ2枚の絵画は没収され後の世の者よってゴヤの代表作品かのように世に出た。ゴヤが描いた油絵の裸体画はこれ1点であるが、その後の裸体画に影響を与えたことは事実である。当時のゴヤの経緯を失った作品としてプラド美術館に展示されている。そして美術史の中で、女性がどのように描かれてきたか、寓意画・神話画・肖像画として描かれたが裸体画はけっして肖像画ではない。女性の裸体画は性の対象物であり女性を見る物としての扱いなのである。フェミニズム・ジェンダーの視点で見えてくるものは歴史的に続いてきた男性優位の文化を慣習とするのではなく、これからの時代女性・男性という性別でくくらない肉体の表面的性差とは何かを見つめなおしていくことに美術史の新しい変化が起こることを望むものである。
大阪府
西洋絵画にみられるフェミニズム・ジェンダーの視点
ーゴヤ作《裸体のマハ》《着衣のマハ》を中心にしてー
日裏 司
芸術学コース
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