『舞台芸術」21号発売! 

4月 05日, 2018年
カテゴリー : お知らせ 

『舞台芸術』21号
アーカイヴを「批評」する
■  ―「記録」の創造的な活用のために

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舞台芸術における「映像・音声記録(アーカイヴ)」の問題を考えること。それは、とりもなおさず、「映像・音声」というメディアを介して、「舞台芸術」というジャンルの本質を問うことに通じているのではないか。この特集は、ひとえにそうした観点から構想されている。

舞台芸術は、あくまでも「ライヴ性」「一回性」を本質とし、「記録」は、ライヴという〈オリジナル〉に対する二次的な〈コピー〉でしかない。――そんな、しばらく前までは当たり前のように思われてきた前提は、メディア社会の進展を通じて大きく揺いでいる。それらが公開可能なものかどうかは別として、私たちの周囲には、パフォーミング・アーツに関する無数の「映像・音声記録」がすでに溢れかえっている。分量としてはわずかであっても、約1世紀前のパフォーマンスの映像や音声の記録でさえ、然るべきアーカイヴ等で普通に接することができるのだ。こうした「環境」は、歴史的にきわめて新しい事態である。今後私たちの周囲には、こうした「記録」を通してしか接することのできない「作品」が、急速に増えていくことになるだろう。

にもかかわらず、私たちは、そうした「記録」とどのように付き合っていけばよいのか、いまだに明確な方法をもちあわせていない。そこには何が「記録」され、何が「記録」されていないのか。その「記録」が現在形の想像にとってどのような刺激を与えうるものなのか、等々。

ここでは、こうした舞台と映像・音声記録をめぐる理論的なパースペクティヴ及び日本おける制度的アーカイヴの現状及び展望を「三つの視点」から考察し、その上で、具体的な「記録」の「解読」を実践する「八つの視点」を紹介していく。

(扉より)

 収録内容

対談 『繻子の靴』 と演劇の可能性 四方田犬彦×渡邊守章

劇評  京都における『繻子の靴』 ティエリ・マレ 訳:根岸徹郎

座談会 演劇史を読む
■  ■■ピスカートア
/メイエルホリド /ブレヒト―メディア時代のイデオロギーをめぐって
■  ■■萩原健×伊藤愉×高橋宏幸×森山直人

■  ■■
J演劇〉とその 彼方――「批評」 「受動性」をめぐって
■  ■■
内野儀×岩城京子×森山直人

レクチャー アヴィニョン演劇祭2017を終えて―宮城聰、演劇の現在を語る 宮城 聰

論考  クロード・レジー、あるいは孤高の巨人             渡邊守章
■  ■■旅と詩人・ダンテと能・書物と舞台―一九二〇年代のクローデル  根岸徹郎
■  ■■未来のダンスを求めて「ダンスを作るためのプラットフォーム   木村 覚

エッセイ 日韓ダンス交流の黎明 伊東順子

 

特集 アーカイヴを 「批評」する

■  ■■―「記録」の創造的な活用のために

■■■黒揚羽の転生、あるいは未来の 〈アーカイヴ〉 太田省吾の〈飛翔〉をめぐって
■■■                                八角聡仁
■■■批判的反復による失われた舞踊遺産のアーカイヴ   古後奈緒子

■■■演劇博物館におけるアーカイヴについて   山﨑健太

■■■『トーキー葵上』  横山太郎

■■■二世豊竹古靭太夫(山城少掾) の「摂州合那辻」  大西秀紀

■■■六代目菊五郎の『鏡獅子』 ―舞台の映像化について    渡邊守章

■■■バート・ウィルソン 『浜辺のアインシュタイン』  内野 儀

■■■タデウシュ・カントル『ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ』   相模友士郎

■■■記録された上演と上演研究―蜷川幸雄演出『リア王』(一九九九年)の場合 菊池あずさ

■■■触覚の生き物   西尾佳織

■■■『カフェ・ミュラー 』をアーカイヴ映像で見ることの 意味について 小菅隼人

 

論考 猿翁アーカイヴにみる三代目市川猿之助の世界
■  ■
第二回フォーラム 映像で振り返る復活狂言『獨道中五十三驛』 石川耕士

レクチャー クリスチャン・ルパ Woodcutters―伐採―』をめぐる冒険
■    ■■
クリスチャン・ルパ 聞き手:鴻 英良 通訳:久山宏一
■■    ■構成:横堀応彦 解題:横堀応彦

対談 ポリフォニーの 迷宮   ハイナー・ゲッベルス×市川明

報告 問いかけを結ぶ環―研究プロジェクト「太田省吾を〈読む―「未来」の上演のために
■■■                               
新里直之

論考 演劇という「画面」―太田省吾、平田 オリザ、岡田利規 を中心に 森山直人

■  ■近代日本の能楽観とその 溯源(その三) ―「能の美」ということをめぐって―
■■■                               
天野文雄

 

『舞台芸術』 21号(2018年 4月発売)定価  1,620円(本体1,500円+税)
B5判    200ページ  ISBN(JAN) 9784048764476
販売は各書店、Amazon カドカワストア

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4/4 2018年度公演ラインナップ ダウンロード版

4月 04日, 2018年
カテゴリー : お知らせ 

今年度の劇場公演ラインナップが完成いたしました!
劇場や大学の入り口のラックで配布しております。
今年度の観劇スケジュールのお供に、ぜひお使いください。

【ダウンロード版】

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4/2 クラウドファンディングによる寄附金募集   
三代目市川猿之助(二代目猿翁)約2万点の貴重資料を復元し後世へ

4月 02日, 2018年
カテゴリー : 過去の情報(~2016.3) 

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平成28年5月、三代目市川猿之助(二代目猿翁)氏から、京都造形芸術大学に歌舞伎関係資料—映像約2500本、書籍約7700冊、公演パンフレット約1400冊、その他膨大な台本、舞台写真など約2万点にものぼる貴重な資料を寄贈いただきました。

これらの資料は三代目猿之助の偉業だけでなく、昭和、平成の歌舞伎の歩みを知ることができる貴重なものばかりです。

この三代目猿之助の歌舞伎人生そのものともいえる寄贈資料を、歌舞伎の世界だけでなく広く舞台芸術の歴史の一部として後世へと受け継ぐために、皆さまのお力をお貸しください。

また、本プロジェクトへの寄附金については税法上の優遇措置があり、ご支援いただいた皆様には特典もございますので、ぜひ皆さまがお持ちのSNS等での発信、ご興味がありそうな方への告知についてご協力いただければ幸いです。


目標金額:2,000,000円

寄附募集日数:60日
寄附募集終了:2018年05月31日 23:00
詳細はこちら

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