研究所概要

文明哲学研究所は、京都芸術大学の建学の理念である『藝術立国』を目指し、「芸術とは何か、人間とは何か」をテーマに、さまざまな活動を行う研究機関です。

『藝術立国』という理念には、「芸術が隅々にまで浸透し、人々が幸せを感じる社会を共に作りだそう」という強い願いが込められています。

どんな芸術に価値があるのか、何が正しい芸術のありかたなのか。この問いに唯一の答えを求めようとすると、摩擦が起きることがあります。長い人類の歴史の中で、自らの正しさを主張する芸術が人々に不幸をもたらしたこともあります。大切なのは、そうした負の歴史も振り返りつつ、より中立的、学術的に「芸術とは何か」を追求し、そのうえで、芸術教育のあり方や社会に対する貢献の可能性を考えることです。その拠点として活動するのが文明哲学研究所(通称:文哲研(ぶんてつけん))です。

本学の創設者である德山詳直前理事長が建立した『藝術立国』の碑には「宇宙の神秘に平伏せ、地球の偉大さに畏れを抱け、生きとし生きる命を愛し尊べ」という言葉が刻まれています。宇宙や地球、42億年の生命の営みに目を向けると、人間の存在の小ささに気づかされます。

より広い視野から「人間とは何か」をとらえ「芸術とは何か」を考える。この研究所では、さまざまな視点から研究や議論を積み重ね、芸術活動の成果を社会に発信する礎をつくることを目指します。

沿革

2012年10月 京都造形芸術大学と東北芸術工科大学の共同研究機関として設立
井原甲二が初代所長に就任
2013年5月 「藝術立国」の碑建立
第1回平和文明会議開催(以後、2015年2月まで8回開催,会議録・総括集発行)
2013年7月 大石芳野写真展「FUKUSHIMA・土と生きる」開催
(会場:京都造形芸術大学瓜生館,期間:8月15日-9月30日)
2014年4月 『愚行展「核」-無知・隠ぺい・無関心』開催
(会場:京都造形芸術大学瓜生館,期間:4月1日-5月31日)
2014年11月 長倉洋海写真展「もう一つの世界」開催
(会場:京都造形芸術大学瓜生館,期間:11月19日-12月2日)
アリヤラトネ博士講演会「世界平和を実現する文明の展望」開催
(会場:キャンパスプラザ京都)
2015年9月 京都造形芸術大学単独の附置研究所となる
2015年12月 尾池和夫が所長代行に就任
2016年4月 写真展「百年の愚行展」開催
(会場:京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ,期間:4月29日-5月22日)
2016年10月 松沢哲郎が第2代所長に就任
2016年12月 第1回文明哲学セミナー開催(以後、2019年5月まで12回開催)
2017年2月 ART meets SCIENCE♯1開催
2018年12月 「ARTS AND APES―ヒト以外のヒト科の絵画展」開催
(会場:京都造形芸術大学人間館エントランスラウンジ,期間:12月11日-21日)
2019年5月 尾池和夫が所長代行に就任
2019年10月 吉川左紀子が第3代所長に就任

研究所構成員

所長 吉川 左紀子 (京都芸術大学 副学長)
准教授 齋藤 亜矢
助教 小野塚 佳代
兼任教授 尾池 和夫 (京都芸術大学 学長)
岸 和郎 (京都芸術大学大学院 教授)
ヤノベ ケンジ(京都芸術大学 教授)
兼任准教授 大辻 都 (京都芸術大学 准教授)
客員教授 西田 睦 (琉球大学 学長)
三浦 佳世 (九州大学 名誉教授)
柴田 一成 (京都大学 名誉教授)
幸島 司郎 (京都大学野生動物研究センター 教授)
吉岡 洋 (京都大学こころの未来研究センター 特定教授)
酒井 敏 (京都大学大学院 教授)
湯本 貴和 (京都大学霊長類研究所 教授・所長)
小松 正史 (京都精華大学 教授)
客員准教授 林 美里 (京都大学霊長類研究所 助教)
特別研究員 桐生 眞輔

発起人

明石 康 元国連事務次長・公益財団法人国際文化会館理事長
尾池 和夫 国際高等研究所所長・学校法人瓜生山学園顧問
隈 研吾 株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰・東京大学教授
小林 隆彰 比叡山延暦寺長臈
德山 詳直 学校法人瓜生山学園理事長

※発起人の役職はすべて2012年10月27日当時

活動内容

1. 「芸術とは何か」「人間とは何か」についての研究活動

芸術する心の起源、芸術が心にもたらす効果、芸術と社会の関わりの歴史などをテーマとした所員の研究活動の他、学内外の研究者との分野を超えた共同研究、学内の教職員、大学院生などの研究活動への支援をおこないます。

2. 芸術と社会の新しい関わりの検討

本学では芸術と社会の関わりを積極的に探究し、企業や自治体が抱える課題をアートやデザインの力で解決する社会実装のプロジェクトを推進しています。当研究所では、アートやデザインが心にもたらす影響についての研究をふまえ、これからの芸術が社会にどうかかわっていくべきか、新たな可能性を追求していきます。

3. 公開セミナーや公開シンポジウムの開催

「芸術とは何か、人間とは何か」をより多角的に考える機会として、各分野で活躍する講師を招き、公開セミナーや公開シンポジウムを開催します。公開セミナー「ART meets SCIENCE」では、「心を深く成長させるには、芸術の科学を学ぶこと、科学の芸術を学ぶこと。感覚を磨いて物の見方を身につけること、どんなものにも必ずつながりがあるはずです」というレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉にならい、芸術と科学つなぐ、継続的な学びの機会を提供しています。

4. 教育活動

本学の学部、大学院、通信教育部における授業を担当するほか、大学院生の受け入れもおこないます。また、文哲研のテーマに関連する学生の自主的な勉強会や活動を支援しています。

《2019年度開講授業》
学部 「自然と芸術」
大学院 「芸術文化原論9」
通信教育部 「天文学・地文学・人文学への階段」

5. 研究所会議

さまざまな専門分野を持つ所員が自由闊達な議論をおこなうことで、芸術、科学、社会を結びつける活動についての新たな提案や企画を生み出します。