2014年5月
2014年5月30日 ニュース
展覧会概要
タイトル: 今そしてこれから、それぞれの支援のかたち
会期: 2014.5/31
時間: 18:00ー20:00
会場: ARTZONE
企画: tanaproject展 関連トークイベント
《tanaproject》展関連トークイベント
公開討論 Lesson 4
「今そしてこれから、それぞれの支援のかたち」
5月31日(土) 18:30〜20:00
スピーカー: もりひろこ×小山田徹(美術家、京都市立芸術大学教授)
ナビゲーター: 熊倉敬聡(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科 教授)
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■「公開討論」企画趣旨―「私たち」と「震災」と「芸術」
私たちは、この20年で、多くの(大)震災、そして原発事故に見舞われました。しかし、その「私たち」、その「震災」、その「原発事故」は、必ずしも一様ではありません。「私」がどこに住んでいるのか? どの「震災」のことを語っているのか?自分にとって「原発事故」はまだ続いているのか、終わっているのか?
「芸術家」と呼ばれている人たちもまた、各々が、創る者として、人間として、試され、創り、創れず、生きんとしています。震災と芸術については、これまでも多くのことが語られてきたことでしょう。震災、被災者を目の前にしたときの、芸術(家)の(不)可能性。「創る」ということの根源的な意味。「芸術」はそもそもいまだに存在しているのか?などなど、芸術(家)にとって根本的な問いを突きつけられてきたのではないでしょうか?しかし、まだもしかすると、あまりに本質的、あまりに個人的であるがゆえに、言葉にさえならなかったことがあるかしれない。そこにこそ、最も大切なものが潜んでいるのかもしれない。「私」たちは、今回、それに耳をすますべく、「芸術」に対して真摯な問いを投げかけつづけている人たちを迎え、共に「私たち」と「震災」と「芸術」について考えていきたいと思います。
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◯小山田 徹(こやまだ とおる)
美術家。1961年鹿児島に生まれ。京都市立芸術大学日本画科卒業。98年までパフォーマンスグループ「ダムタイプ」で舞台美術と舞台監督を担当。平行して「風景収集狂舎」の名で様々なコミュニティ、共有空間の開発を行ない現在に至る。近年、洞窟と出会い、洞窟探検グループ「Com-pass Caving Unit」メンバーとして活動中。大震災以降の女川での活動を元に出来た『対話工房』のメンバーでもある。京都市立芸術大学教授。
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2014年5月26日 ニュース
例年に続いて、今年もASP学科の卒業生を招いてのキャリアイベントを開催します。
これまでのASPの先輩方が、学生時代をどう過ごし、どのように今の進路を決めていったのか。
学生時代を振り返ってもらいながら、ASPでの勉強が現在の仕事にどのように役立っているかを話していただきます。
今年のゲスト卒業生は3名。
直島ベネッセでの勤務の後、PARASOPHIA事務局でパブリックプログラムマネージャーを務める
川角礼子さん(05年度卒)
京都市美術館勤務の
中原星登さん(12年度卒)
大阪梅田のナレッジキャピタルでコミュニケーターとして働く
宮内龍太郎さん(12年度卒)
このイベントのレポートは後日このブログでも紹介します。
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アートプロデュース学科
キャリアイベント2014
開催日:2014年06月04日(水) 16:30〜17:50
会場:人間館4階 NA412
※本学通学部生は聴講自由です。
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2014年5月25日 ニュース
展覧会概要
タイトル: tanaproject展
会期: 2014.5/31〜6/8
時間: 平日 13:00〜20:00 / 土日祝 12:30〜20:00 (最終日17:00まで)
会場: ARTZONE
企画: 熊倉敬聡(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科 教授)
tanaprojectは2011年9月にスタートした、東日本大震災の被災地に強化段ボール製の棚を届けるワークショッププロジェクト。その活動は、被災地にただ棚を届けるだけではない。現地で生活する人自身が作ることで、作る楽しさを感じたり、人と会話をしながら作ることで、知らない人と会話したり、一緒に作る喜びを届けたいとの思いに基づいている。今回ARTZONEでは、その活動を紹介すると共に、ワークショップも開催。参加費2000円で、東北で作る棚と同じものを作って持ち帰ることができ、うち半分の1000円が東北の活動資金に充てられる。展示は入場無料。
もりひろこワークショップ概要
tanaprojectはただものを届けるのではなく、「つくるたのしさ」を届けるワークショップです。会期中のワークショップでは、東北でつくっている棚と同じものをつくりお持ち帰り頂けます。強化段ボール製の棚を1個つくると参加費の半分が東北でのtanaprojectの活動費に充てられ、東北で避難生活をしている方が1個つくることができます。強化段ボール製の棚は通常の段ボールよりも丈夫で、ていねいに使えば数年使いつづけることができます。
【開催予定日時】
① 5月31日(土)10:00―12:00
② 5月31日(土)14:00―16:00
③ 6月1日(日)10:00―12:00
④ 6月1日(日)14:00―16:00
※事前申し込み制
【参加費】
一組2,000円
(うち半分の1,000円をtanaprpjectのチャリティー資金として活用させていただきます)
【申し込みについて】
数に限りがあるため「workshop-A with もりひろこ」へのご参加は予約制とさせていただきます。 参加希望の方は〈日時・氏名・参加人数・tana制作希望数・連絡先〉を tana.project.mail@gmail.com宛にお送りください。
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2014年5月23日 イベント
ARTZONEで大好評開催中の『舞妓の美』展。
会期も残すところ今日を入れて3日となってしまいました。
まだご覧になってない方は、この週末にぜひ足をお運びいただき、京都の歴史ある伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。
展覧会詳細や、アクセス方法については、ARTZONEの専用HPからどうぞ!
さて、先週の土曜日には宮川町の舞子さんとARTZONE学生スタッフによるトークイベントが開催されました。
登壇したスタッフの一人である岸上千秋さんの感想と写真をのせて、イベントの様子をチョコっと紹介しますね。
—『舞妓の美』オープントーク レポート—
17日のオープントークは、実際に宮川町の舞妓・君ひろさんをゲストにお迎えし、学生とともに花街の文化や舞妓の衣装などについて考えるというものでした。私たちは普段舞妓さんとすれ違うことすらあまりなく、ゆっくりお話しするなんて初めてのことだったので、皆とても緊張していました。君ひろさんはとても美人で、話し方も私たちとは違い「はんなり」しておられ、本当に別世界に暮らす人だという印象を受けました。しかしトークを進めていくうちに、生活は違うものの、やはり同年代であるということが見え隠れし、少しだけ身近に感じることができたかと思います。これまでのイベントや展示を通して、花街の文化は、舞妓さんや職人さんの努力と根性で支えられてきた文化なのだと感じました。トークでも拘っていると仰っていたかんざしやかつら、お化粧道具、その他にもたくさん魅力的な展示品がございますので、たくさんの方にご来場頂き、花街の文化を知って貰いたいです。
岸上千秋(ASP学科2回生)
— PHOTO GARELLY —
舞子の君ひろさん(左)と当展覧会を企画した田中圭子先生(右)
展示されている小物やパネルを観て回っているところです。
トークイベントの様子。
ARTZONEにしては珍しく、ご年配の方々も今回の展覧会イベントにはたくさんおこしいただきました。
トークイベント終了後の、スタッフ全員入っての記念写真。
本物の舞妓さんといっしょに写真をとれるなんて羨まし〜!
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2014年5月22日 イベント
21日の特別講義は、本学教授の藤本由紀夫先生にお越しいただき、ASP学科の山下里加先生との対談形式で行われました。山下先生はライターを始められたころからの藤本先生との長い親交があり、トークも終始和やかな良い雰囲気の中で進んでいきました。
自己紹介がてら藤本先生の作品の映像をいくつか見たのちに、藤本先生が手がけられたユニークな展覧会カタログの話題に入っていきました。
山下先生がご自宅から持ってこられたものを見せながら、中には実際にトランプとしても使えるカード型のものや、手のひらサイズのもの、こすると音がするものなど、一般的にはあまり見ないけれども、貰うとうれしい藤本先生独特の「遊び心」が詰まったデザインのものが紹介されていました。
テーマは次に「美術館の遠足」展の話に移ります。
「美術館の遠足」展とは、兵庫県の西宮市大谷記念美術館で1997年より10年間行われた、会期は一日だけという藤本先生の展覧会です。
この展覧会では会場に監視員のスタッフ、キャプション、場内誘導のサインなど作品の場所を示すものを一切置かれませんでした。しかも藤本先生の作品は曰く『おもちゃ』なので、みるだけでなく観客が積極的にアクションを起こさなければ体験することができません。観客は作品(おもちゃ)を自ら探し出して、鑑賞方法(遊び方)を自ら考えることを求められるのです。でも、この展覧会がすごかったところは、回を重ねるごとに観客が確実に育っていったこと。そうすると仕掛ける側も、あの手この手を使った策を練っていきます。
藤本先生がおっしゃるには、作品とは「作家」と「観客」と「美術館」がともに作っていくものであるということ。場所が変われば作品も変わるし、見る人がどのように体験するかによって、そうでなかったものが作品になるということを発見した展覧会だったとおっしゃっていました。
「美術館の遠足」が開かれた西宮市大谷記念美術館は、1995年に関西地方を襲った阪神淡路大震災で大きな被害を負った地域でもあります。藤本先生自身も関西で長年活動されてきたアーティストであるということから、最後に「アートと災害」の話題も少し話されました。
先の大震災の時もそうでしたが、そういうとき「アートで何ができるか」という問題がしばしばテーマとして挙がり、アートの存在意義が問われたりします。しかし、震災が起こるのは人間にはどうしようもないことで、それが起こったことでアートのあり方を変えようとする考え方には藤本先生は疑問を投げかけられていました。一方で、アートが向かうべき問題は天がもたらす「天災」ではなく、人間が引き起こす「人災」の方だということを強調されていて、これに関してはアーティストに限らず、我々一人一人がちゃんと向き合って考えなければいけないと述べられました。
●以下学生レポートからの抜粋●
■ますます作品とは何なのかわからなくなった。作者が作品だと思っていなくても見ている人にすればそれはもう作品になってしまう。もうますますわからない。でも藤本さんは「お客さん」と呼ばない、見に来る人も一緒に作品を作る人だと言っていた。そこにもまた、私の美術館への固定概念があったのかなと気づかされた。
■鑑賞者が一方的に受け取るのではなく、作品に関わることで双方的なコミュニケーションが起こっているのではないかと思った。鑑賞者によって作品が違ったものになる、作品は変化し続けるところは面白いと感じる。アート作品において変化し続けることは大事な要素で、時代の変化に対応することができる方法なのではないかと思った。
■「美術館の遠足」の話を聞いていて、監視員ゼロや、一切のガイドなしでどこにどの作品があるのか、そこまでが展示室でどこまで入って良いのか来場者には分からないということで、言ってみれば、探索しているような気分になれるのかなとも思った。座って体験するイスの作品のフロアには水をはってみたら、来場者は裸足になって楽しんでいたというのはすごい驚きであるし、おもしろい話だなって思った。こういう話を聞いていて、山下先生の言葉にもあった「親切なのか、不親切なのかわからない」ということに確かにとも思ったけれど、本当の美術館の在り方というのは何なのだろうかとも思った。
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