2014年8月
2014年8月22日 授業風景
「プロに学ぶ」の授業の一環で、7月20日に京都の向島にあるSANDWICHの見学に行ってきました。
ご存知の通り、SANDWICHは本学の先生でもあるアーティストの名和晃平氏が主催するスタジオで、訪問した当日も、まさに作品制作の真っ最中でした。
この授業を履修しているのは主に一回生です。美術系高校の出身ではない学生は特に、初めて訪れる制作の現場、しかも、日本現代アートの最先端を行く作品が生み出されている瞬間を目にして、驚きと発見が絶えない様子でした。
前半、SANDWICHのマネージャーでありASP学科の卒業生でもある青山真樹さんに案内をしていただきながら、スタジオ内を見学しました。1階フロアの制作スペースで、スタッフの方々が作業をされているすぐ横で制作過程をみせていただいたり、様々ある設備の紹介をしていただいたり、2階フロアの事務所やアーティスト・イン・レジデンス等で使用される宿泊スペースなどを見せていただきました。
そして後半は、SANDWICHで行われてきた活動をまとめた映像を見せていただき、名和晃平さんへの質問タイムを設けていただきました。最後には青山さんにも学生時代の経験と今の仕事内容についてお話を伺うことができ、刺激的な空間の中で、アートの現場で働くプロの仕事をみて学ぶことができました。
名和さん、青山さん、SANDWICHスタッフの方々、お忙しい中貴重な経験をさせていただきまして、ありがとうございました!
【PHOTO GARELLY】
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2014年8月20日 ニュース
4回生の河原功也くんが企画した、山下拓也展『弱弱様』の展覧会ブックがついに完成!!
この展覧会は、2013年度ARTOZONEにて開催されました。
なんと、この展覧会ブックは河原くん自費制作!
表紙のゴールドスプレーも自分でやったため、今、彼の部屋は大変なことになっているとか!?
★詳しくはこちらをご覧ください☞ http://jakujaku-sama.tumblr.com/
河原くんは、卒業論文でも”山下拓也”について論じています。
――以下、『山下拓也論|彫刻と期限』 論文要旨抜粋
山下には「その物がそこに在っていい理由」を念頭に置くという制作態度があり、また「その場にある空間や状況といった事実」に対する真摯な対峙が作品に含まれている。こういった態度が、捨ててあった金庫やゴミ袋などの既製品を作品に利用し、それらの使用期限を延長することで生命を賦与する行為に繋がっていると筆者は考えた。―――
★9/20.21の学園祭中、アートプロデュース学科の学生作品展会場NA409にて販売いたします!
監修|山下拓也
企画・編集|河原功也
デザイン|三重野龍
執筆|副田一穂(愛知県美術館 学芸員)
写真撮影|菊山義浩
発行|弱弱様
価格|1,500円
山下拓也展『弱弱様』の様子 @ARTZONE
2014年8月5日 ニュース
本年度のACOP対話型鑑賞会に「鑑賞者ボランティア」として参加して下さる方を募集致しております。
詳しくはこちらのpdfファイルまたは以下の募集要項をご参照下さい。
本年度も一人でも多くの方々にご参加・ご協力頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
幅広い年齢層の方々のご参加をお待ちしております。中高生のみなさんの参加も大歓迎です!
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アートは「難しい、分からない」と敬遠する人は少なくありません。「一人でも多くの人たちがアートを身近に感じ、親しめるようになるにはどうすればよいか?」 このような疑問に取り組むため、私たちは2004 年度より、ACOP / エイコップ(Art Communication Project)を実施しております。
ACOP の目的は以下のとおりです。
1)アートとアート作品の違いを学ぶ。アートとは作品と鑑賞者の間におこる、不思議な現象、深淵ですばらしいコミュニケーションであることを理解する。
2)学生ひとり一人が、作品との豊かなコミュニケーションを図ることのできる主体的な鑑賞者になる。
3)将来アート界で働きたいと希望している学生たちに、鑑賞者の存在の重要性と、彼らの不安や不満、喜び、ニーズなどを把握してもらう。
4)「作品」と「鑑賞者」の間に、より密接なコミュニケーションを確立するため、両者を結ぶナビゲイターの重要性を、実践を通して学ぶ。
5)観察力、批判的思考力、セルフ・エデュケーション力、コミュニケーション力を養い、他者とともに生きるための知恵を身につける。
私たちが実践しているのは、「みる・考える・話す・聴く」という、人間がすでに持っている能力を基礎にして、人と作品、人と人の対話をとおした鑑賞方法です。それは、美術史などの知識に偏らず、視覚情報に基づくコミュニケーションを通して、作品と私たちの間に独自の関係を築こうというものです。
一人でも多くの方に「コミュニケーションをとおした作品鑑賞」を体験していただき、また、学生にナビゲイターとしての実践の場を提供するために、「鑑賞会」を企画しました。つきましては、ボランティアで鑑賞者としてご出席いただける方を募集します。
「鑑賞者ボランティア」の協力者は、2004年以来のべ1200人を超えるまでに至りました。日本の大学として初の試みである同プロジェクトの主旨をご理解いただき、ご多忙とは存じますが、本年度も一人でも多くの方々 にご参加いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
〈日程/グループ分け〉
「鑑賞者ボランティア」の皆様には、計4 回本学にお越しいただくことをお願いしております。最初は「説明会」、残り3 回は学生がナビゲイターとして行う作品鑑賞会です。すべての回に出席いただくことが条件です。鑑賞会を、「グループ1」、「グループ2」、「グループ3」の3つに分けております。ご都合の良い日時をお選び下さい。
■説明会(全グループ共通) 2014 年10 月25 日(土)13:00~15:00
今回ボランティアとしてご参加いただく皆様全員を対象に、「なぜ鑑賞者が大切なのか?なぜこのような授業が必要なのか?」を、福のり子が説明させていただきます。
■作品鑑賞会(各グループ定員15 人)
グループ1
第1回鑑賞会 11月15 日(土) 14:00~16:30
第2回鑑賞会 11月29 日(土) 14:00~16:30
第3回鑑賞会 12月13 日(土) 14:00~16:30
グループ2
第1回鑑賞会 11月16 日(日) 10:00~12:30
第2回鑑賞会 11月30 日(日) 10:00~12:30
第3回鑑賞会 12月14 日(日) 10:00~12:30
グループ3
第1回鑑賞会 11月16 日(日) 14:00~16:30
第2回鑑賞会 11月30 日(日) 14:00~16:30
第3回鑑賞会 12月14 日(日) 14:00~16:30
■応募方法
①ご氏名 ②ご住所 ③ご所属 ④確実に連絡のとれるご連絡先(メールアドレス等)⑤参加希望グループ ⑥鑑賞会をお知りになったきっかけ(どこで、またはどなたから)
以上をご記入いただき、下記までお申し込みください。
京都造形芸術大学
アート・コミュニケーション研究センター
担当:岡崎大輔・北野諒
〒606-8271
京都市左京区北白川瓜生山2-116 人間館3F
FAX: 075-791-9185
mail:info@acop.jp(岡崎・北野)
WEB: http://www.acop.jp/
※電話でのお申込みはおひかえください。
※FAXの場合は担当者名をご明記ください。
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2014年8月1日 ニュース
『教師になる』
12年度卒 似内達吉さん
大阪市立中学校美術教師
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私立常翔啓光学園 特進Ⅱ類卒業→本学科12年度卒業→13年度8月~大阪市立中学校美術教師
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―現在の職業・活動について―
私は現在、大阪市の公立中学校で教師をしています。在学中は展覧会の企画や運営に興味がありARTZONE(学生が運営しているギャラリー)での活動を中心に行ってきましたが、そのかたわらで両親から「大学に行くのであれば何か資格は取っておくように」と言われ、漠然と履修しはじめたのが教職課程でした。当時は卒業後の進路も展覧会に携われる職種を希望していました。しかし、大学3回生の頃に行った教育実習での経験が、私に教師という仕事を意識させるきっかけとなりました。卒業後、一時はアート業界に進みましたが紆余曲折があり、養護学校の臨時講師、中学校での講師を経て現在の職にたどり着きました。
主な業務内容は、教科指導(美術)、担任業務、生徒指導、部活指導、行事運営などです。教師は自身の担当する教科についてはその学校で誰よりも知っている「プロフェッショナル」であり、尚かつそれ以外のあらゆる業務をこなすことの出来る「何でも屋」でなければなりません。また接している相手が多感な中学生なので、ささいなことにも気を配れる観察力と行動力が必要になります。
―ASP学科で学んだこと―
今の仕事で一番役に立っているのは「対話型鑑賞(ACOP)」です。ACOPでの経験やモノゴトの考え方が力になっているのはもちろんのこと、私の場合は対話型鑑賞を実際に授業に取り入れています。現在、美術の教育現場では鑑賞の重要性というものが見直されており、研修や講座なども頻繁に行われています。そんななかで感じることは、ASP学科で行われている鑑賞教育は最高水準であるということです。
多くの生徒にとって、美術の授業で学ぶ絵筆や彫刻刀の扱い方(テクニック)そのものは将来必要がありません。しかし、なにかを見て、考え、それを言葉にし、他の意見に耳を傾け、さらに思考するというACOPのサイクルは、きっと力になります。また、すぐに答えを欲しがる姿勢が身に付いてしまっている生徒たちに対して、「考え続けること」の大切さを伝える上で、答えのない美術という教科で対話型鑑賞を実践することには大きな意味があるのではないかと考えています。
それに加え、今になって勉強になっているのがASP学科の先生方の学生に対する接し方です。学生が迷ったり悩んだりしているとき、先生方はたいていの場合解決策を持っています。しかしそれをすぐに伝えるのではなく、ある程度泳がせ、失敗し、自分で学んでくれるのを待つ。もどかしくてついつい手を出してしまいがちになる、新米の私にとっては見習いたいところです。
―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
私はゼミの先生がおっしゃられていた数々の名言の中でも2つの言葉が印象に残っています。
ひとつは「悩むな!考えろ!!」。原因にとらわれ他者や自分を攻め続けるよりも、どうすればこの先良くなるかを考えるほうがよっぽど建設的です。大学の4年間は本当にあっという間、立ち止まっている暇なんかありません。
もうひとつは「点をできるだけたくさん打つこと」。これはスティーブ・ジョブズの言葉を引用して話してくださったことですが、未来を見据えて今やるべきことを完璧にこなせる人はいません。人はいつでも過去を振り返って、自分がしてきた小さな点を繋いでいくものです。点は線になり、線は面になり、面は立体を作ります。その点が多ければ多いほど色々な面を見せる自分が形作れます。自分の興味が無いことや嫌なことにも、出来る機会があるのならだまされたと思って飛び込んでみるフットワークの軽さも必要かもしれません。私もはじめは何となく取っていた教員免許が、今役に立っていたりしますしね。
(2014/08 更新)
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◎学科運営のHPでは、歴代卒業生のインタビューも公開しています。
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