アートプロデュースコース

卒業生紹介

nitanai

 

『教師になる』

12年度卒 似内達吉さん

大阪市立中学校美術教師

私立常翔啓光学園 特進Ⅱ類卒業→本学科12年度卒業→13年度8月~大阪市立中学校美術教師
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―現在の職業・活動について―

 

私は現在、大阪市の公立中学校で教師をしています。在学中は展覧会の企画や運営に興味がありARTZONE(学生が運営しているギャラリー)での活動を中心に行ってきましたが、そのかたわらで両親から「大学に行くのであれば何か資格は取っておくように」と言われ、漠然と履修しはじめたのが教職課程でした。当時は卒業後の進路も展覧会に携われる職種を希望していました。しかし、大学3回生の頃に行った教育実習での経験が、私に教師という仕事を意識させるきっかけとなりました。卒業後、一時はアート業界に進みましたが紆余曲折があり、養護学校の臨時講師、中学校での講師を経て現在の職にたどり着きました。
主な業務内容は、教科指導(美術)、担任業務、生徒指導、部活指導、行事運営などです。教師は自身の担当する教科についてはその学校で誰よりも知っている「プロフェッショナル」であり、尚かつそれ以外のあらゆる業務をこなすことの出来る「何でも屋」でなければなりません。また接している相手が多感な中学生なので、ささいなことにも気を配れる観察力と行動力が必要になります。

 

 

―ASP学科で学んだこと―

 

今の仕事で一番役に立っているのは「対話型鑑賞(ACOP)」です。ACOPでの経験やモノゴトの考え方が力になっているのはもちろんのこと、私の場合は対話型鑑賞を実際に授業に取り入れています。現在、美術の教育現場では鑑賞の重要性というものが見直されており、研修や講座なども頻繁に行われています。そんななかで感じることは、ASP学科で行われている鑑賞教育は最高水準であるということです。
多くの生徒にとって、美術の授業で学ぶ絵筆や彫刻刀の扱い方(テクニック)そのものは将来必要がありません。しかし、なにかを見て、考え、それを言葉にし、他の意見に耳を傾け、さらに思考するというACOPのサイクルは、きっと力になります。また、すぐに答えを欲しがる姿勢が身に付いてしまっている生徒たちに対して、「考え続けること」の大切さを伝える上で、答えのない美術という教科で対話型鑑賞を実践することには大きな意味があるのではないかと考えています。
それに加え、今になって勉強になっているのがASP学科の先生方の学生に対する接し方です。学生が迷ったり悩んだりしているとき、先生方はたいていの場合解決策を持っています。しかしそれをすぐに伝えるのではなく、ある程度泳がせ、失敗し、自分で学んでくれるのを待つ。もどかしくてついつい手を出してしまいがちになる、新米の私にとっては見習いたいところです。

 

 

―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―

 

私はゼミの先生がおっしゃられていた数々の名言の中でも2つの言葉が印象に残っています。
ひとつは「悩むな!考えろ!!」。原因にとらわれ他者や自分を攻め続けるよりも、どうすればこの先良くなるかを考えるほうがよっぽど建設的です。大学の4年間は本当にあっという間、立ち止まっている暇なんかありません。
もうひとつは「点をできるだけたくさん打つこと」。これはスティーブ・ジョブズの言葉を引用して話してくださったことですが、未来を見据えて今やるべきことを完璧にこなせる人はいません。人はいつでも過去を振り返って、自分がしてきた小さな点を繋いでいくものです。点は線になり、線は面になり、面は立体を作ります。その点が多ければ多いほど色々な面を見せる自分が形作れます。自分の興味が無いことや嫌なことにも、出来る機会があるのならだまされたと思って飛び込んでみるフットワークの軽さも必要かもしれません。私もはじめは何となく取っていた教員免許が、今役に立っていたりしますしね。

 

 

 

(2014/08 更新)

 

 

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