2016年3月
2016年3月31日 授業風景
1回生の「アーティクルライティング」の授業では、さまざまな場所を訪問して取材したり、インタビューをしたりして、記事を書いています。12月には、京都市下京区にあるポノス株式会社を訪れました。学生の記事のなかから、ひとつを紹介します。
>> ポノス株式会社ホームページ
キモカワにゃんこを売りにしたスマホゲームをご存知だろうか。競争の激しいスマホゲーム業界の中で根強い人気を誇り、ついに今年2200万ダウンロードを突破した「にゃんこ大戦争」だ。誰でも描けそうなキモカワにゃんこと、単純明快なルールから、大人だけでなく小学生にも人気がある。キモカワにゃんこグッズもウケがいい。今回はそんな、にゃんこ大戦争を手がけるゲーム開発会社「PONOS」にお邪魔し、ゲーム作りの現場や働く人たちを取材した。
明るくて、開放的なオフィス
ポノスのオフィスは、京都の四条通りに面したビルにある。8階のオフィスからは、ちょうど祇園祭の山鉾巡行が見えるらしい。管理部の柏亮平さんと西野友彩さんに案内されて入ったオフィスは、思っていた以上に開放的で、会社というよりもお洒落なカフェに近かった。白とレンガを基調にした壁、360度ガラス張りの会議室、芝のようなカーペットが敷いてある広場など。ガラス張りの会議室の中では、ちょうどにゃんこ大戦争の開発メンバーによる会議が開かれていて、柏さんは「ガラス張りだとサボれないんですよ」と笑った。芝のようなカーペットの上では、ごはんを食べたり、会議をしたり、休み時間になると筋トレを始める人もいるそうだ。カフェに近いと書いたとおり、少し前までは会社の入り口に扉がなかったため、カフェだと間違えて入ってきた人もいたとか。今ではプロジェクションマッピングが投影された扉があり、インターフォンを押した訪問者を「Welcome」の文字で歓迎している。
柏亮平さんと西野友彩さん
ガラス張りのミーティングルーム
「芝生」スペース。全員での会議や、採用説明会などにも利用。
週末は誰かがバーテンになったりもする。
長いフロアは奥へ行くほど高くなっていて、全体を広く見渡せる工夫がされている。
にゃんこのぬいぐるみも、至るところに。
2016年3月4日 ニュース
今年の卒業制作作品36本のなかから、2月28日(日)に行なわれた講評会で、受賞作品7本と、特別賞受賞作品が決定しましたので、以下に発表します。
学長賞
松陰菜緒「丹祈」
「丹祈(たんき)」とは、真心を込めた祈りを意味する。この小説の主人公ゆかりは、キリスト教の教会に通い、神に対して素直に祈ろうと試みる。だが、その祈りは、決して教会で祈るというだけの意味ではない。宗教的な姿勢というより、「誰にも求められていない」人間がどのように生きていったらいいのかと必死に懊悩し、模索する祈りである。彼女は「疑い」、「妬み」、「絶望」というような心の苦悩を経て、一つの啓示を得る。夢見るだけでは理想は現実にならないのだ、と。魂の餓えを丹念に描き、精神の奥底まで手が届いた、至高の小説。(教員コメント/校條剛)
優秀賞
清水皓平「ペレト・エム・ヘルゥ」
大学生、あるいは若者たちの日々。どちらかと言えば、過去の卒業制作を始め、本学科の学生が好んで取り上げる物語の設定ではある。ことに卒業制作の場合、記念という意味合いから、これまでもこの種の設定は使われてきた。しかし本作がほかの小説と異なるのは、漫然とし、怠惰な日常を描写しながらも、登場人物がいきいきとしている。これに至った要因は、作者が「終らない一日」というテーマを明確に定め、物語を展開していったことがあげられる。その結果、単にノスタルジアに陥らない、人生のある瞬間の輝きが小説の中で生まれた。(教員コメント/新元良一)
奨励賞
阿久津統子「彼女のように泣き喚け」
四人の大学生の日常に潜む内的葛藤を、淡々として冴えた筆致でとらえた群像劇である。ストーリーの過剰なドラマ性に頼ることなく長尺を書き終える、安定した力量も感じられる。この作者の今作における、特筆すべき新味は、どのような場面作りをするかということに最大の関心が寄せられているということだろうか。主要人物群の造型も、明快な輪郭を備えている。しかしその反面、それぞれが抱える葛藤や内的ドラマがやや図式的かつ合理的にすぎる観が否めず、少々頭でこしらえた感じが残るのがとても惜しい。自作の作品世界を信じ、その自律した運動に思い切って身を委ねることで、今後の大躍進を期待したい。(教員コメント/辻井南青紀)
奨励賞
末廣華穂「入れ替わりプログラム」
RPGゲームの非公式プログラムをダウンロードしたことで、現実の世界のイツキとゲームのなかのロビンが入れ替わることになる。中身はイツキであるロビンがゲームをクリアしなければ、イツキは現実世界に戻って来れないというストーリー。ライトノベルのメガヒット作品『ソード・アート・オンライン』に似た状況設定ではあるが、リアル世界で学校生活を送るロビンの側のストーリーを並行して見せるというパラレル・ワールド構成は本邦初か。要所要所に謎を仕掛け、読者の興味を引っ張る工夫、じらし方などほとんどプロ並みの技を見せてくれる。(教員コメント/校條剛)
表紙イラスト・正木ゆうひ(情報デザイン学科3年)
表紙写真/留岡愛子(美術工芸学科4年)
表紙イラスト/菊池のえる(美術工芸学科4年)
2016年3月2日 ニュース
今年の卒業制作作品をまとめた冊子「littera」が完成しました。
小説、評論、エッセイ、詩と詩論など36名の学生作品が揃った、過去最高にぶあつい作品集となりました。
表紙とスリーブには、情報デザイン学科3年の正木ゆうひさんのイラストを起用しています。
厚さだけでなく、作品もつぶ揃いの、とても質の高い作品集になっています。
発行部数僅少のため、販売はしていませんが、会場でご覧いただけます。
卒展は今週末まで開催です。
3月5日(土)・6日(日)は、
卒業展/大学院修了展 OPEN CAMPUSも開催します!
http://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/sotsuten/
ぜひ足をお運びください。
(スタッフ・竹内)
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