- 2021年11月12日
- 日常風景
環デ卒業生インタビュー ~vol.1~
環境デザイン学科「卒業生インタビュー」。
記念すべき第1回は、岡山県岡山市で「招き猫美術館」の学芸員をされている虫明比斗子(むしあけひとこ)さんをご紹介します。
虫明さんは、本学園が短期大学のときにインテリアデザインコースを卒業、その後専攻科を修了されました。また、結婚と出産を経て、新たに本大学の通信過程で学ばれ、学芸員資格を取得されたそうです。
ー今、どんなお仕事をされているんでしょうか?
岡山県岡山市にある「招き猫美術館」の学芸員として企画広報のお仕事をしています。
「招き猫美術館」はその名の通り、招き猫に特化した美術館です。今年で27周年を迎えました。コロナ禍以前は世界各国から年間2万人以上の来場者がありました。日本の良き文化のひとつとして、招き猫の文化を世界に普及したいと思っています。たまに招き猫絵付け体験の講師も務めています。
ーどんな経緯で今のお仕事に就いたのでしょうか?
実はこの美術館は私の実家が運営しており、兄が2代目を継いでいます。
卒業後、私は地元の住宅メーカーに就職しましたが、結婚・出産を機に仕事を離れて子育てに専念していました。そのときに実家から絵付け体験の講師を頼まれて気軽な気持ちで手伝ったところ、すごく反響があり、メディア等にたくさん取り上げられたことがきっかけです。
当初はこんなに長く深く続けるとは思っていなかったのですが、途中で学芸員の資格も取得し、もう15年働いています。
ーこの大学で学んだことは今のお仕事に影響していますか?
しています!
建築や環境計画の勉強では、建物を計画する際に「行程」があります。まずイメージがあり、エスキース(※設計作業初期段階における計画全般や相談)があり、そこから完成へ向かって物事を構築していきます。
イメージを実現する際に問題点が起こってくるのですが、それをひとつひとつ対処して乗り越えていく、ゴールに向かって自分の道を作る、そんな練習をたくさんしたことが、今仕事においてすべてに役立っています。
また、私は岡山県から京都に進学しました。京都は古き良きものと新しいものを同時に受け入れる、前に進む力のある街だと思います。
進学先を京都にしたこと、この大学を選んだことを本当に良かったと思っています。
ー絵付け体験の講師もされるということでしたが、そこでも大学で学んだことが活かされているのでしょうか?
はい!
私は入試のためにデッサンを勉強していました。
高校2年生のときにこの学校で模擬入試のようなことをさせていただける機会があって、そのときに周りのみなさんのデッサン力に圧倒されて、すごくデッサンを頑張ったんです。
ー卒業後は、住宅メーカーで働かれていたとのことですが、建築のお仕事もされていたのでしょうか?
はい。住宅メーカーでお客様の要望を聞いて、レイアウトを図面に起こしてプランを提案するお仕事です。
住宅は大きな買い物なので、お客様の要望を聞いて引渡しまで関わることは大きな経験でした。
そのときにお客様目線で考えるように良く言われ、クライアントの思いを汲み取るということを学びました。
ー学んだこと、全てが今に活かされているんですね。この学校で他にどういうことを学ばれたのでしょう?
この学校は瓜生山の自然が本当に美しくて、四季折々でその美しさに触れる中で、何が美しいのか、ということの芯を学ばせてもらいました。
今でもこの松麟館(※環境デザイン学科がある建物。山側に建っており眺めが抜群です)からの景色をよく思い出すくらい心に残っています。夜景が綺麗だったな。
ーきっと課題制作を遅くまで頑張ったときに見たんですね笑
課題、頑張ってました笑
ー学科共通の芸術教養科目も記憶に残っておられますか?
はい!そういった科目も基盤になっていますね。
ー今、この大学で学んだ建築を今のお仕事に活かされようと挑戦されていると聞きました。
2022年度の夏休みに「ねこのおうち展 ー子どもたちがねこの建築を考えるー 」を企画しています。
岡山のこども絵画教室と連携して、こどもたちが設計者になりきって「ねこのおうち」を考えて、制作した作品を展示して発表します。
コメンテーターに岡山と東京と京都から建築家を、また東京から画家の方をお呼びします。
ー講評会をするんですね笑
はい笑
ねこと人との幸せな環境づくりを考えることで、自分の住まいや暮らしに目を向けて、こどもたちが生きる未来がより良いものになればと思って企画しています。
ー他にもあると聞きました。
美術館内に「山猫文庫」という、ねこの図書室を開設しています。主に絵本を中心にねこの本をおいています。
そのために「ねこの絵本に出会う旅」と称して美しい図書室を巡って、紹介していただいた本をおいています。
ー図書室の内装や設置に、建築やインテリアの勉強を活かされたのですね。
そうです。

虫明さんが持ってきてくださったフライヤーと可愛いお札。
ー現役の後輩たちに何か一言いただけますか?
学生時代はあっという間です。
視野を広げていろんなことに興味を持って過ごしてほしいです。
今、働いていることはこの大学で学んだ全てだと心から思います。
在学中は、自分がこのようなお仕事に就いているとは思ってもみませんでした。
女性は結婚や子育てで仕事を離れる時期がありますが、芯を持ちつつ前に進めば新たな世界へ行くことができますよ。
ーありがとうございます。最後に気になる笑「招き猫美術館」のPRをどうぞ!
招き猫美術館は開運がテーマの、ほっこりと福を感じていただける美術館です。自然が豊かな岡山観光もともに楽しみにいらしてください!
ー虫明さんより本学園へうれしいお言葉を頂きましたのでご紹介します。
アートの中でも、建築は体感できていろんな人と楽しめるものです。それが学べたことは私にとって本当に財産です。
この学校はどんどん進化していて、来るたびに楽しい気持ちになります。
大学生の年代だけでなく、ご年配の方、こども芸術大学(※瓜生山学園の敷地内にある認可保育園)の子どもたち、世代も超えて学びができる素晴らしい学校です。
ー虫明さん、ありがとうございました!
これもねこのご縁ですので笑、ぜひ招き猫美術館にお越しください。

人見知りしながらもなぜか近くで様子をずっと伺っていた環境デザイン学科のねこたちと。
◆招き猫美術館が気になった方はこちら
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◆「瓜生山通信」環境デザイン学科の学生作品展(オーブ展)が取り上げられました。
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