環境デザイン学科

【卒業展】受賞作品の紹介

2021年度環境デザイン学科卒業展受賞作品はこちらです。

 

■学長賞

「水と生きる街」八木田 直樹

北九州の洞海湾には、日本の産業を支えた工場地帯がある。水質汚染は改善されたが現代にも残り続ける影響や人々の親水行動の減少、これらの問題に対し自然の力による水質浄化と共に人々が集い、水や水生植物に親しむエコロジカルパークを提案する。

教員よりコメント

北九州市北西部に位置する洞海湾。八幡製鐵所が立地されて以降「死の海」と呼ばれるまで水質汚濁が進んだ場所である。排水規制による水質浄化が進んだものの、現在新たに抱えている富栄養化という環境問題に対し、水質浄化と親水性を目的としたエコロジカルパークを提案した。

本作品は環境デザイン領域が持ちうる「社会の問題をデザインで解決する」という視点を、最新の環境技術と審美性の両面から提案している点が最大限評価される。

(担当教員/長谷川一真)

 

■優秀賞

「所有と占有その間にあるものたち」趙 添

所有範囲の拡張」、「感情的な占有」、「錯覚の誘発」という三つの手法で所有意識を揺さぶることにより、お互いの境界が曖昧に感じられるような住宅街計画とする。既存の古い長屋路地空間と混在し、改造・減築を行い、過去と現在歴史の延長としての住宅街。

教員よりコメント

趙添くんの作品は、土地や建物の所有意識に関していかに揺さぶりをかけ境界を曖昧にするかというテーマに対し、精緻なリサーチと実践的なアイデアをもって、実に魅力的な界隈を作ることに成功している。しかしそもそもの境界の曖昧さは大阪という街(と人)に存在し、それを抽出し展開した優れて大阪的な計画とも言えるものである。四六時中ひたむきに建築に向き合い作業しつづける趙添くんの姿勢には頭があがらない。

(担当教員/小野暁彦)

 

■優秀賞

「新高瀬川物語 一之舟入〜京都駅付近の高瀬川の未来予想」FUNG CHEUK TING

京都市内を流れる運河である高瀬川の未来を計画する。対象敷地は運河の始点の一之舟入から京都駅北側までの約3kmで、川の形状を変えたり路地に水を引き込んだりしながら、新しい機能や居場所を挿入し、市街地と水辺が連動する新しい都市生活を提案する。

教員よりコメント

江戸初期に開削された京都と伏見を繋ぐ運河・高瀬川に沿って、未来の都市環境を提案する。洛中洛外図に描かれた高瀬川をトレース、現在の高瀬川の全長9.7kmをリサーチ、過去と現在の水辺の市民生活を記録することで、未来へのベクトルを思考した。設計は小さな修景を線的に並べながら、市内に水を引き込み、かつての舟入を再現し、水辺の形を少しずつ変化させている。水の上に建つ建築は、地球温暖化による水位上昇に備えながらも、模型の水辺はきらきらと明るい。

(担当教員/城戸崎和佐)

 

■奨励賞

「S.S.S.K Sea Sky Slope Knitting」阿比留 汐織

「造船所の上を自由に歩けたなら」
夢を想起させるような急峻な地形が海へ流れ込むSSK。分断された山、海、空、人を繋ぐ宙空のランドスケープを編み込み、戦後若い少年少女達にとって生きるための働き場であったこの地を、地元産業を学び体験する場へ

 

「岩国吉香公園 穹窿の木漏れ日」 岡本 瑠美

錦帯橋前に広がる吉香公園を含む地区全体に「災害の際の一時避難の場」「憩いの場」の役割を持つ建築を計画。ランダムに広がる繊細な鋳鉄の柱。その上にかかる2種類の屋根。人工と自然の木漏れ日の融合。点在する名所を繋ぐ繊細な建築の森が地区に広がる。

 

「The Potential Of The End (終焉に秘められた可能性の追求)」 加納 俊一郎

廃校となる高校を芸術を学ぶ場所へと転換。周辺環境、残されたこの場所における敷地形状、施設から、ランドスケープと既存校舎をつなげるような増築、運営をプラス。
既存の記憶を残しつつ、今までになかったアクティビティが生まれるよう設計した。

 

『「古」から蘇るまち物語』 神野 彩乃

「古」が根付く奈良県明日香村を対象敷地とする。「古」を活用して原風景を整備して行くことで風土にふれるルート、ビューポイント、コミュニティーの場を設け、「古」を更により感じてもらう観光振興計画。古代ロマンを感じてみてはいかがですか?

 

「山の葬祭場」谷口 竜一

寝室や墓地では、人は朝日に起き、夜に眠る。朝日には静寂の中に喜びが、夕日には喧騒の中に哀愁がある。決して、死は死ではなく、生は生でない。生と死は、水のように流れ、時には自身らもその流れに身を委ねる。建築は朝を祝福する庭となる。

 

「オタモイ幽霊船 〜オタモイ遊園地の記憶の継承〜」多良間 涼太

『昭和初期の北海道に「夢の里オタモイ遊園地」なるリゾートが在った。しかし、楽園は度重なる苦難の末、閉園。今も残る記憶は風化の一途を辿る。そんな記憶を継承・復活させる為、1人の男が姿を現す。男は船を造船し、当時と今を行き来する。』というお話。

 

「日常(ケ)の器」野田 陸(ノダリク)

上賀茂神社境内と京都駅前の二箇所に、それぞれの問題に応答しながら現代風土を現すランドスケープと建築を設計する。-ランドスケープでは「山を降ろす」こと。 -建築では「日常(ケ)の器」を置くこと。に、この二つの計画は徹する。

 

「銅と学生のための祠」村山 拓

銅という素材の、環境適応に着目し、その新しい使用法を提案する祠。また、木目金という伝統工法から作られる美しい金属を表現に用いることで、学生を鼓舞するという目的がある。

 

■審査員特別賞

「無有時家 むうじか」福田 和音

山と道の軸線によって作られた場所に多くの響きが重なり合う。
父のレコード、家族、会社員、訪問者、子ども達…
そして生活のすぐ側から生死の揺らぎ投げかけてくる。
鳥取県琴浦町赤碕の自然的軸線の交差を使った、新たな住宅、文化、商業施設の提案。

 

「自然と暮らすまち」三浦 未鈴

日本三景のひとつである宮城県の松島を対象として、景観の保全・継承と生活空間と観光地の関係性を見出すまちづくりを提案。景観のための整備も含め、観光地内の駐車場を計画地として地元住民や観光の場として活用できる空間をつくる。

 

■歴星賞

「色のいろいろ」片岡 優花

色は、日常的に目にしているものであるが、その種類の豊富さから配色や取り入れ方に困ることもある。そこで、色を数値化し分析を重ねた上で、感覚的ではない配色を考えた。また、色の塗り替えだけで空間のイメージがどのように変わるのか検証した。

 

「河野泰」河野 泰

私が建築家になるための3つの秀作。

 

「__ to live 新たな家具屋の形態」中山 十桜子

実家である店舗兼住宅のビルのリノベーションに加え、家業である家具屋を引き継ぎ、ショールームだけの店舗から、家具を体験できる施設へとなるようなシステムの提案を行う。家具に触れ、家具を楽しむ場所をつくる。

 

「UMAMI」平野 未生

食という「点」が環境や人と「線」で結ばれ「面」で感じる。そこには人の血が通っていると感じられるものがあった。私たちはものを食べているだけでなく、そこに流れる物語まで味わっている。これは4年間の“UMAMI”を全て閉じ込めた私の習作1である。

 

■同窓会特別賞

「悲惨な一日のその後から」柴田 優伊

答えが見つからないまま臨んだ審査会はひどい有様でした。その夜、わたしは自分の情けなさに涙を落としスクラップブックを作り始めました。

 

受賞されたみなさま、おめでとうございます!

 

■卒業展 大学院修了展
予約制です。サイトよりお申し込みください。

 

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◆「瓜生山通信」環境デザイン学科の学生作品展(オーブ展)が取り上げられました。

 

 

 

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環境デザイン学科の4年生卒展委員のチームで作成したリーフレットお渡しします。

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