大学院

多和田有希先生 グループ展『ゆだねながら語りあうこと/響き合う思考法』

本大学院教授の鬼頭健吾先生がディレクターを務めるMtK Contemporary Artにて、明日5月3日(火)から「ゆだねながら語り合うこと/響き合う思考法」が開催されます。

本学教員の多和田有希先生が参加する、陶芸と写真のグループ展となっており、鬼頭先生も特別出展として作品を展示しております。

6月5日までの約1ヶ月間の展覧会となっております。
ぜひご高覧くださいませ。

 

 

(以下、MtK Contemporary Art HPより)

ゆだねながら語りあうこと/響き合う思考法
■作家名 新⾥明⼠ 、多和⽥有希 、川端健太郎
ゲスト出展:⻤頭健吾

アーティストはそれぞれの表現を確立していく過程で、独自の方法論や思考法が確立されていくことは必要不可欠である。だが、それは扱うマテリアルやメディウムによって大きく影響される。そのため、画家には画家の、陶芸家には陶芸家の、写真家には写真家の、思考の仕方が生まれていく。

例えば、絵画であれば自らがメディウムを乗せ、自身の手によってそのイメージを形成していく。しかし、写真は真逆に感光という現象に委ねてきた。アングルを決め、状況設定をしても、最後には光と感光材に委ねなければならない。この委ねる、という点においては、陶芸も通ずるものがあるかもしれない。素材を選び、それを成形するが、最後には窯の中の出来事に委ねなければならない。熱によってどのように素材や釉薬が変質していくのか、計り知れない部分がどうしても生じる。

この展覧会は、陶芸と写真といった全く異なるメディウムを扱いながら、共通性と差異が交差しながら、互いの思考法を交換する場になるのであろう。白磁を用いて器などを制作する一方で、ひび割れなど――つまり用を失った物の情緒を表現に取り込む新里明士。多様な釉薬やさまざまな素材を用いて大胆な造形をしながらも、窯入れの先に生まれる造形を楽しむ川端健太郎。そして、フィルムを消しゴムでスクラッチし、現実世界を写し取ったイメージに独特の揺らぎを与える多和田有希。それぞれの扱うメディアは異なる。それゆえに互いの思考法から生まれてくる問題意識は多様であろう。だが、制御しきれないものに委ねながらも、自身の表現へとにじり寄ってきた三者の語らいが作品を通して聴こえてくる場となるであろう。

文章:山峰 潤也

 

 

■会期 2022/05/03-2022/06/05

■時間 10:00~18:00 
 Closed on Mondays

■会場 MtK Contemporary Art

 京都府京都市左京区岡崎南御所町20-1
■協力 Yutaka Kikutake Gallery

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