アートプロデュースコース

インターン報告:editorial studio MUESUM

3回生の花見堂直恵さんが大阪・天満橋にある編集プロダクション、editorial studio MUESUMにインターンに行ってきました。
レポートを紹介します。

 

 

 

 

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アートプロデュース学科3回生 花見堂直恵

実習期間:2013年6月8日(土)から9月2日(月)のうち15日間

実習先:editorial studio MUESUM

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制作に関わらせていただいたフリーペーパー「小豆島と茨木」/「paper C」

制作に関わらせていただいたフリーペーパー「小豆島と茨木」/「paper C」

 私は、大阪・天満橋を拠点とする編集プロダクション「MUESUM(ムエスム)」に約3ヶ月間インターンスタッフとしてお世話になりました。

 

 編集者の多田智美さんが代表を務めるMUESUMでは、アート/デザインを軸に、フリーペーパーや書籍などの印刷物の制作、イベントの企画・運営からマネジメントまでと幅広く手がけています。

 もともと印刷物が好きだった私は、1回生の時から授業やプロジェクトで広報物などの制作に携わっていくなかで、より広い意味での“編集”という行為や考え方そのものに興味を抱くようになりました。そんな想いから、印刷物のみならず編集的な視点で多くの人や場所を巻き込みながら活動するMUESUMでのインターンを志望しました。

 

 主な仕事内容として、大阪の事務所ではフリーペーパーの作成(リサーチ、取材同行、記事執筆、文字校正)などの編集業務が中心でした。また、その期間MUESUMには大阪の他にもうひとつ、瀬戸内海に位置する小豆島にも拠点がありました。私が小豆島で関わらせていただいたことはほんの一部ですが、何度か通ううちに自分にとってとても重要な体験となっていたことを、振り返りながら感じています。

 

 今年開催された「瀬戸内国際芸術祭2013」の一環として行われたUMA/design farm + MUESUMが手がける企画、小豆島・醤の郷+坂手港プロジェクト「観光から関係へ」(http://relational-tourism.jp/)。そこでは訪れる人たちが単なる「観光」だけで終わるのではなく、人と人とが出逢うことで生まれる「関係」が続いていくようにというコンセプトを掲げ、さまざまなプログラムを展開しています。MUESUMはUMA/design farmと共に会期中10組のクリエイターを順に呼び、島の人たちと密に関係をとりながら滞在制作を行う『クリエイター・イン・レジデンス「ei」』を主に運営(マネジメント)しながらプロジェクトを進めていました。

 アートやデザインをきっかけに、島の人々が培ってきた歴史や文化、その土地特有の風景や空間と人々をつなぎとめるための仕組みづくりが、そこでは行われていました。自分たちだけの視点でなく、多くの仲間を巻き込みながら町に潜在している魅力をすくい取り、再構築されていたように思います。

 

 そういったMUESUMの小豆島での活動を実際に現場で体感していくなかで、特に印象的だったのは、町や人を含めた「小豆島」に対する真摯な姿勢と、その誠実さでした。代表の多田さんは、約3年前から小豆島に通い島の人たちと丁寧に関わっていきながら、今回のプロジェクトを進めていたそうです。

 他の仕事を抱えながらも何度も大阪と小豆島を往来し、常に島にはスタッフの誰かが滞在。島のお祭りや伝統行事などに積極的に参加したり、食事やお酒を共にしたり……まるで住民であるかのように地元の人たちと一緒に、島での出来事を共有していました。

 持続可能な町や人との関係を築き未来へとつないでいくために、ひとりよがりのものではない、アートやデザインができること、未来へとつないでいきたいものに対して強い意志と信念を持った人たちが集う場所、小豆島。プロジェクトをきっかけにしてたくさんの人たちが集まり、エネルギーに満ちあふれていました。たった数日間だけの滞在でしたが、本当に刺激的だったのを覚えています。

 

 3回生となり、そろそろ卒業後の進路について考えながら自分と向き合う時間が多くなるこの時期に、今回のインターンでの経験は大きな契機となりました。

 新しく1からつくりだすのではなく、あるものに新たな視点を加え、魅力を引き出していくこと。点と点をつなぐように関係をひろげていくこと。小豆島のプロジェクトから、そんな“編集”の可能性にわくわくさせられ、これからもそういった視点でものごとを捉えながら、生活していきたいと思えたのです。

 

 多田さんをはじめ、MUESUMスタッフの永江さん、坂本さん、松尾さんには本当にお世話になりました。印刷物の編集業務から小豆島でのプロジェクトまでといった幅広い仕事のなかで、編集者としても一人の人間としても、とても大事な姿勢や視点を学ばせて頂きました。微力ながらも貴重な体験に関わらせて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。 

 

 今回の経験によって何か答えが見つかったわけではなく、向き合うこと、考えなければならないことが増えたように思います。まだ自分のなかで処理できていない想いも、これから少しずつ時間や経験を重ねていくなかで確かにしていきたいです。

 

 

 

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shimanowa

 

 インターンで携わったフリーペーパー『瀬戸内 しまのわのわ』01号には、編集スタッフとして花見堂さんの名前が載っています。

 

 またインターンを終えた現在、彼女はMUSEUMでアルバイトとして活躍しています!

 

 

 

 

○『瀬戸内 しまのわのわ』とは・・・ 

広島・瀬戸内エリアを中心に、明るく元気な地域住民(しまのわさん)の活動を紹介することを通して、“海の道”が育んできた豊かな資源を見直し、人口減少時代における元気な社会のヒントを探るフリーペーパーです。 

発行元:広島商工労働局海の道プロジェクトチーム

 

 

 

 

 

 

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