キャラクターデザイン学科

【マンガコース】先生コラム vol.2〈小波一平先生〉

こんにちは、マンガコースです!

今月も〈先生コラム〉を連載していきます!

 

第2回 小波一平 (こなみ いっぺい) 先生! 

 

 

【経歴】

2015年、横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程芸術文化コース卒業。学士論文「手塚治虫の3つの『ファウスト』から考察する、記号的身体の再評価」。2016年、ストーリーマンガ『あしたの天気はロボメシア』により、第79回小学館新人コミック大賞児童部門佳作受賞。2018年、絵画作品『月の写像』により、第14回世界絵画大賞展遠藤彰子賞受賞。2018年、横浜国立大学大学院教育学研究科教育デザインコース修了。修士論文「銀箔を下地とした混合技法についての技術的研究 ―変色に関する事柄を中心として―」。絵画分野の主な展覧会に『Gottani展(2017年、仲通りギャラリー)』など。2017年より読み切りマンガやパンフレット等のマンガを中心に活動、漫画賞を多数受賞。横浜国立大学非常勤講師、横浜国立大学大学院非常勤講師、立命館宇治中学校・高等学校常勤講師を歴任。 

京都芸術大学『教員紹介』より 

 

小波先生は今年度着任されたばかり!フレッシュな先生です。

マンガ制作だけでなく、先生が描かれる絵画もすごい!

今回は、大学時代のお話から専門分野の『技法画材研究』ついて伺いました。

 

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✎大学時代、何を専攻されていましたか?

 

〈小波先生〉

文学研究のゼミと絵画のゼミ、2つのゼミに無理矢理入っていました(笑)

僕が所属していた文学研究のゼミは何をやってもいいゼミで、文学研究の傍らSFやファッションの研究をしていた学生もいたほどです。

僕は手塚治虫の研究*を行っていました。

 

*学士論文「手塚治虫の3つの『ファウスト』から考察する、記号的身体の再評価」

 

大学院に入ってからは、変色させた銀箔にテンペラ*やエンカウスティーク*といった古典技法を組み合わせて絵画制作をしていました。

銀泊を変色させる際、硫化させることが一般的ですが、僕は「酸化」で色をつけていました。

 

*テンペラ…顔料を水で溶き、接着剤(展色剤)として主に卵や膠(にかわ)などを混ぜ合わせて作る絵の具、およびその描画技法のこと。

*エンカウスティーク…溶かした蜜蝋に顔料を混ぜて描く古代の絵画技法のこと。

 

もともと理系型人間でしたので、オリジナルの技法開発や実験ばかりやってましたね。

 

▲銀の表面を化学変化(硫化)させることで、金→茶→赤→紫→青→黒へと美しいグラデーションを作り出すことができるらしい

 

 

✎酸化に着目したのはなぜですか?

 

〈小波先生〉

最初はこれを直接技法に使おうと思ったのではなく、

銀と油絵具を組み合わせると、どうしても酸化銀(Ag2O)が出てしまうから、どれくらい出るのか確かめるためにいろいろ実験をしていました。

その結果、「あ、これは使えるな」と思って。技法として取り入れようと思ったんです。

 

化学の発見も、別の研究をやっているうちに新しい発見をすることもあると思うんですが、僕の場合もそんな感じでしたね。

 

▲酸化させない方法もあると仰っていましたが、小波先生はそのデメリットを利用して作品にまで昇華させました。

 

 

✎この方法を作品に使えるまでの過程は、とても大変だったのではないでしょうか。

 

〈小波先生〉

なにせ前例がないもので……(笑)

酸化銀(Ag2O)は安定していない物質なんですね。光や熱で還元されて銀に戻っちゃうという性質があるので、それをどう安定化させるかという実験をたくさん繰り返していました。

 

【化学反応式】~中学理科のおさらい~

2Ag2O → 4Ag+ O2

酸化銀  →  銀 + 酸素 

 

 

 

✎最後に、このブログをご覧いただいている方へひとことお願いします。

 

〈小波先生〉

マンガっていろんな要素を総合して制作しますよね。僕は、絵画の研究を通して『いろんなことをやってみる』を行ったことが、マンガにも活きているのだと思っています。みなさんも是非いろんなことをやってみてください!

 

以上、〈先生コラム〉でした!

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