プロダクトデザインコース

段ボールが、孤独だった僕と子ども達を繋げてくれた ―ものづくりで居場所をつくる、齋藤さんインタビュー

こんにちは。プロダクトデザインコースです。

今回は、在学生の紹介を行います✨

段ボールを使った工作キットを制作し、幼稚園やフリースクール、アフタースクールなどで子ども向けワークショップを行っている1年生の齋藤 詠空(さいとう えいく)さんにお話を伺いました。

 

(齋藤 詠空さん クラーク記念国際高等学校出身)

 

先日行われた、同志社アフタースクール様での活動の様子はこちらからご覧になれます🌻

 


 

――活動を始めたきっかけを教えてください。

工作は幼い頃から好きで、ずっと続けていました。中学生になった頃コロナが流行し、家で過ごす時間が増えても一人で工作をしていました。一方、周りはオンラインゲームなどでつながっていたようで、いざ学校に行くと自分だけが乗り遅れたように感じ、友達を作れず中学2年生で不登校になりました。高校生になっても孤独な学生生活は変わらず、周りとのギャップに耐えられなくなり先生に相談したところ、幼稚園実習を提案されました。子どもたちの純粋さに触れ心が晴れ、園長先生に工作が好きだと伝えると、幼稚園でワークショップをさせてもらえることになりました。これが初めての工作キット制作で、子どもたちが楽しみながら作れるよう工夫し、結果的に成功しました。

 

▲自宅のレーザーカッターで工作キットを制作する様子

 

「これは僕にしかできないことなのではないか」と思い、本格的に活動を始めました。最近は不登校や孤独の経験を活かし、同じような思いを抱える子どもたちに寄り添いたいという気持ちから、フリースクールなどでも活動しています。工作は、僕と子どもたちをつなげてくれるコミュニケーションのツールです。ただ話すだけでは分からない気持ちや、その子の心の中にある風景のようなものも、作品を通して少し見えてくるのではないかと思っています。

 


 

――素材として段ボールを選んだ理由はなんですか?
素材を何にするかはまったく迷いませんでした。僕の中ではダンボール一択だったからです。幼い頃から一番多く使ってきた素材がダンボールで、150年以上前から代々受け継がれてきた百貨店である僕の家には、商品の入っていたダンボールが倉庫に大量にありました。そのダンボールを使って工作をしていたので、自分にとって「工作」といえばまずダンボールを思い浮かべるくらい身近な素材でした。

また、段ボールは多くの人が知っていて触れたことのある素材で、身近で親しみやすく、紙のような温かみもあります。さらに無地のダンボールを使えば、完成後に色を塗ったり、絵を描いたり、パーツを付け替えたりしてカスタマイズできます。完成後も子どもたち一人ひとりの個性を出せるところが、ダンボールの大きな魅力だと思っています。

 

▲実際に子供たちがワークショップで作った「トランシーバー」

 


 

――これまでのワークショップで一番印象に残っている出来事や苦労したことなどはありますか?
これまでで一番大きな活動は、アフタースクールを運営している会社からの依頼で、市内16か所、合計約1,200人の子どもたちに向けてワークショップを行ったことです。夏休みの9日間ですべての施設を巡回しました。16か所を9日間で回ること自体も大変でしたが、一番大変だったのは1,200個の工作キットを用意することでした。

 

 

納品までの時間が限られ、夜通し準備したり、テスト期間中にレーザーカッターでパーツを切りながらノートを書いたりする生活をしていました。それでも実際にワークショップを行うと、子どもたちが楽しそうに作ってくれたり、完成した作品を嬉しそうに見せてくれたりして、苦労が一気に報われたように感じました。結果的に大成功し、僕にとって大きな実績になりました。今年の夏も、去年に加えさらに多くのアフタースクールを巡回する予定です。

 


 

――プロダクトデザインコースで挑戦してみたいこと、学んでみたいことはありますか?
僕の活動に欠かせない工作キットですが、現在の課題はそのレパートリーがまだ少ないことです。今後はもっと種類を増やし、子どもたちの自己表現や発想力をさらに引き出せるキットを開発したいです。これまでは自分なりに「楽しめるもの、作りやすいもの」を考えてきましたが、大学ではプロダクトデザインの視点から、構造や素材、使いやすさ、安全性、作る過程の楽しさをより深く学びたいです。

 

 

完成品を作るだけでなく、作る途中で子どもが自然と考え、工夫し、自分らしさを表現できる「体験」までデザインできるようになりたいと考えています。また、これまで打ち合わせやキットの設計・準備などすべてを一人で行ってきましたが、活動を広げていくには一緒に考え、制作できる仲間も必要だと感じています。大学では技術を学ぶだけでなく、同じ志を持つ仲間を見つけたいです。

 


 

――今後の展望を教えてください。
現在は、施設からの依頼を受けて工作キットを持参する出張型のワークショップを中心に活動しています。今後もこれを続け、さらに多くの子どもたちにものづくりの楽しさを届けたいです。そして大きな展望は、自分の工作教室、あるいは学校のような場所を作ることです。そこでは子どもたちが自由に集まり、工作をする子も絵を描く子も、何かを作る子もただ誰かと一緒に過ごすだけの子もいて構わない、一人ひとりが自分らしくいられる居場所を目指しています。僕自身、不登校や孤独を経験したからこそ、安心できる居場所の大切さを強く感じています。工作をきっかけに、子どもたちが人とつながったり、好きなことを見つけたり、「自分にもできる」と思えたりする場所を作っていきたいです。

 

 


 

――このブログを読んでいる方へ一言メッセージをお願いします。
孤独になっても、挫折しても、その経験を活かせる仕事や夢はあると思います。僕自身、不登校になったことや孤独を感じていた時間が、今の活動につながっています。当時はつらいだけの経験だと思っていましたが、今振り返ると、その経験があったからこそ、同じような思いを抱える子どもたちに寄り添いたいと思えるようになりました。進路や将来に不安を感じ、周りと同じように進めず自分だけ遅れているように感じる人もいるかもしれません。でも、自分にしかない経験や想いは、いつか自分だけの力になると思います。好きなことや大切にしたい気持ちを糧にして夢に向かって進んでいくこと。そして、それを応援してくれる進路を選んでみることも、とても面白い選択だと思います。

 


 

齋藤さんは自身の工作教室「esaku and」を立ち上げ、精力的に活動されています🎈

気になる方はぜひサイトをご覧ください!
👉 エサクの工作教室

 

齋藤さん、ありがとうございました!

今後のご活躍にも期待しています🌿

 


 

オンライン体験イベントのお知らせ

プロダクトデザイン学科合同&クロステックデザインコース独自のオンラインイベントが開催されます!💻

こんな人におすすめのイベントですので、ぜひご参加ください🌷

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『多角的な観察のレッスンー日本の視点×世界の視点でデザインを比較する』🔍🇯🇵🌏

これからの20年で人口が1,400万人(九州・沖縄規模)が減少する日本の一方で、20億人増える世界の人口。これから私たちは、ローカルとグローバルの両方の視点で、クリエイションを考えていく必要があります。その視点を得るヒントを、国内と海外の事例を元にデザインの話をしましょう。全日程テーマは同様ですが、毎回異なる事例をお話します!複数日程の参加がおすすめです。

 

<日程>🗓️

第1回:5/14(木) 18:30-19:30 ※終了しました
第2回:6/24(水) 18:30-19:30 ※終了しました
第3回:8/6(木) 18:30-19:30
第4回:8/28(金) 18:30-19:30

 

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探究ワークショッププログラムのお知らせ 

 

京都芸術大学の総合型選抜 探究プロセス型の対策ワークショップである、探究ワークショッププログラムが開催されます!✍️✨

 

プロダクトデザイン学科は7/26(日)10:00-15:00に開催されますので、受験生のみなさんぜひご参加お待ちしております。🙌💖

 

この「探究ワークショッププログラム」では、学科担当教員が丁寧に指導しながら各分野の学びをベースに探究学習に取り組みます。

 

このプログラムでは「総合型選抜 探究プロセス型」の指定提出物である探究学習ワークシートの作成も行いますので、早期に受験準備が可能です。

 

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