こども芸術学科

卒業生がんばっています。

今年の春卒業した井上亜美さんから展覧会の案内メールが届きました。

彼女は4月から東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に進学し、

楽しく頑張り続けているようです。

 

5月2日一夜限りの展覧会のようです。

急なご案内ですがお近くの方、興味のある方是非、足を運んでください。

 

井上亜美さんがこども芸術学科でどのように学びを深めてきたのかを文章に綴ってもらいました。

ブログ後半に掲載しています。ぜひ、読んでくださいね。

 

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お久しぶりです。お元気ですか。

 

こども芸術学科4期生の井上です。

 

早いもので、横浜に住んでから一ヶ月が経ちました。

大学院で制作するのにも少し慣れましたが、こ学のゼミ室がとても恋しいです。

早速ですが、この一ヶ月で制作した作品を急遽、展示することになりました。

一夜限りの展示の為、ご来場が難しいと思いますが、告知だけでもと思い、ご連絡しました。

 

以下が展覧会の詳細です。

 

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なんとかしナイト

東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻

藤幡正樹特別演習成果発表

 

「なんとかしナイト」は、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻の修士1年による「映像」「メディア」そして「見ること」そのものの探求を行う展示です。

私たちが、3週間の特別演習を通して考えた、今後のメディアの可能性、探求すべき問題などを、みなさんと共有できる夜になればと思います。

一夜限りの展示です。なんとかお越し下さい。

 

 

会期:2014年5月2日(金) 17:00〜21:00

会場:東京芸術大学横浜校地 新港校舎
入場無料

主催:東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻

詳細は以下のホームページにて↓

http://www.fm.geidai.ac.jp/openstudio/2014_may/

 

 

ホームページのリンクからは学生生活などもご覧いただけます。

 

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■こども芸術学科での学び  :井上亜美

 

顔写真

 

あたらしい素材との出会い

2回生の前期に、100円ショップのものを分解し、新しいものにつくり変えるという課題がありました。100円ショップの品物はつくりが複雑でなく、キリやペンチで簡単に分解できるのが楽しかったので、課題が終わってからも100円ショップの商品を買い集めていました。目的を定めずに素材から受けたインスピレーションで架空の生物をつくったのが「いきもの」シリーズです。

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また、2回生の後期にはキャンバスの切れ端を自由に用いて環境に関わるという課題がありました。私はキャンバスの切れ端が骨に見えたことをきっかけに、絶滅した海の生物の骨をつくり、大学のトイレに博物館のような空間を作り出しました。そのようにしてさまざまな素材を使用するうちに、だんだんと白くて透明な素材に惹かれるようになり、二つ目の「いきもの」シリーズを制作しました。真っ白な綿棒に瞬間接着剤を浸透させると透明になることや、洗顔ネットをライターであぶると縮んで固まること。見慣れた素材が目の前で変化していく面白さを、自分の指を通して感じていました。

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いのちとの関わりから

身近な素材を分解し、再構成して生物を制作する方法を続けていたとき、先生からの「素材を見せたいのか、生物のかたちを見せたいのか、どっちなん?」という言葉をきっかけにして、自分が何を伝えたいのかを考えるようになりました。

そんな時に、夕日に照らされた蝉の抜け殻をみつけたとき、生命力を強く感じました。その体験をきっかけに制作したのが卒業制作の「いのちの在り処」です。

虫の死骸を分解して型を取り、寒天を流し込み、接着剤を垂らして抜け殻をつくり出す過程は、私にとっていのちと向き合う時間だったように思います。

素材との出会いのみで完結していたものづくりが、いつの間にか外の世界に触れることによって作品をつくるようになり、自分の感覚を伝えたいと思うようになりました。

 

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感覚を伝えるために

卒業制作を終えても、なぜ自分が虫の死骸や抜け殻に惹かれ、いのちが宿っていると感じたのかについて考えています。また、そのことを伝えるために試すべき方法がたくさんあると感じています。進学先の大学院では、映像や写真、音などのさまざまなメディアをとおして実験を繰り返しながら、自分の伝えたいことをより直接的に伝えられる方法を探していきたいと思っています。

芸術に関わるとき、技法や歴史を学ぶこともとても大切だと思います。しかし、こども芸術学科での4年間は、自分が今どんな世界に生きているのか、何を感じて何を伝えようとしているのかというような、表現の根元の部分を耕す時間であったように思います。今生きている自分自身に向き合えた経験が、これから先も自分を支えてくれるのだと思います。

 

亜美さんから、これからこども芸術学科で学ぶみなさんへのメッセージです。

「自分に出来ることじゃなくて、自分に出来そうもないことに挑戦してほしい」1回生のときの先生の言葉です。4年間で数えきれない失敗をしましたが、未知のことに取り組む瞬間はとても自由でした。何かに熱中する中で、新しいものが生まれると信じています。

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亜美ちゃん、すてきな文章をありがとうございます。

どの学生よりも早く登校して、誰よりも遅くまでゼミ室にいた亜美ちゃん。

休日もゼミ室でしたね。教室使用届のサインを何回したことやら。(笑)

とても勉強熱心で頑張っているのですが、いつも漂うような自然体でものごとに向き合い

地心館のCゼミの窓際で調理実習のように素材研究していた姿を思い出しますよ。

新しい環境でのこれからの作品がとても楽しみです。

亜美ちゃん!!また最新情報を知らせてください。

 

(梅田美代子:教員/イラストレーション、グラフィック)

 

 

 

 

 

 

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