マンガ学科

取材先その③ 『笹屋伊織』

 

アートエッセイ「私の和菓子元年」

 

高石悠貴

 

ああ、やってしまった。

財布の中から1512円が抜けていく。

これは仕方のない事だ。それほどに、そのどら焼きは美味であった。

創業299年、来年で300年の節目を迎える老舗の京菓子店『笹屋伊織』。

看板商品である「どら焼き」を本日の取材で試食させていただいた。

一般的などら焼きは、諸説あるものの銅鑼の形をしているからそう呼ばれ、分厚い生地で餡を包みこんだものであるが、笹屋伊織のそれは全く違っていた。

棒状にしたこし餡に薄い生地を何層にも巻きつけ、最後に竹の皮で包んだ、独特の形であった。名前の由来は、なんと銅鑼で焼いているからである。

一口食べるとまずそのもちもちとした生地の触感に驚く。きめ細かなこし餡が口の中でとろけ、上品な甘さが口の中に拡がる。

スーパーの安いどら焼きくらいしか食べたことのなかった私にとってこの出会いは衝撃的であった。ゆえにこの感動を家族で共有するしかあるまい。

私はどら焼きを1本買って帰った。

 

伊織3

伊織2

 

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