- 2013年3月28日
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【油画コース】報告★アートフェア東京2013 その②
美術工芸学科、油画コースです。
さて、引き続きOBたちのブースと作品を紹介しよう。
▼イムラアートギャラリーのブースでは、
新進の画家たちのなかに極並佑君(写真・左)と桃田有加里さん(写真・右)を見つけた。
二人とも若くて大学一年生の時の絵が、まだ私の記憶に生々しく残っているくらい。
時の立つ早さを感じますね。二人とも昔から積極的だったなあ。
私もがんばろ…
▼蔵丘洞画廊の外壁ブースでは、大学院の版画を昨年修了した
長谷川可奈さんの作品が壁一面に展示されていかるのを見つけた。
フレッシュに感じる。
彼女は伝統的な木版手法をずっと研究していた人です。
一つのことにこだわることはとても大事ですね。
▼続いて若手を育成されているギャラリーからは江畑芳さんの作品が目を引きました。
本学大学院、博士課程2年の院生です。
本江邦夫氏もちゃんと覚えておられましたよ。
江畑さんは3月29日~4月13日まで
東京のギャラリーSuchiで個展開催します。
ぜひお出かけください。
▼そして最後に坂本千弦さんに会いました。 本学から、東京芸大大学院に行った人です。
作品だけでは坂本さんだとわからなかったくらい変貌していたように感じました。
黒画用紙に白鉛筆?
微妙で微細なモチーフが描かれています。
あくまでもさりげなく、密やか。
手法はシンプルですが、この先にさらに不思議な絵画の形が待っているように思えました。楽しみですね。
そんな訳で通り一遍ですが、大学関係者の出品状況を紹介しました。
会場にカメラをわざわざ持って出かけたわけではないので携帯の下手な写真でごめんなさい。
さて、これからのアートフェアはどうなるのでしょうか。
かつて私が芸大生だった頃、こういう形があろうとは露ほども思わず、
絵描きという「生業」は成立しても、食べていける「職業」としては見通しが立たないのが当たり前でした。
しかし現在ではどうでしょう?
こんなに華やかなアートフェアが開催され、沢山の若手アーティストに白羽の矢が立つ時代に、
それはアートにとって、やっと歓迎すべき時代が到来したと喜ぶのが人情?でしょう。
作る人、見る人、見せる人、買う人、
それら人と人との関わりが釣り合って始めてこの世界が成り立つのだと思いますし、
その意味ではアートが私たちの生活に深く根付いてきたといえるのかもしれません。
前回にも少し書きましたが、
父親は子供を連れて絵の前で何か話ができるような、
あるいは老いた両親の手を引き、絵を通して語らうことができるような、
そんなアートを手がかりに会話が弾む日本の国の姿がさらに近くに来ることを期待します。
本学の理念もそうですね。
「芸術が人をつくる!」
今回のアートフェア東京には、
千住博前学長も細川護煕学園長も出品されていましたが、
奇しくも京都造形大学のシルエットが少なからず感じられる興味深いものでした。
最後に。
現代美術をかかげる各ギャラリーに混じって
近代の洋画斎、斉藤義重や香月泰男、熊谷守一など、
渋くて重厚な作品が岐阜、名古屋の各画廊から沢山出ていました。
歴史はさまざまな絵画を淘汰していくのだと、ふと思いました。
私の感傷かな。
(京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース教員 川村悦子)