- 2016年6月6日
- イベント
アニメーション会社へ企業訪問!!
こんにちは!
四回生の小川円です。
今回は、先日会社見学に行かせていただいた
アニメーション制作会社「スタジオコロリド」さんの訪問レポートをお伝えします!
スタジオコロリドとは……
アニメーション制作会社。主なアニメ作品は「台風のノルダ」「陽なたのアオシグレ」
「寫眞館」「フミコの告白」など。
パズル&ドラゴンズやマクドナルド、YKKなど、CMも数多く制作されています。
お味噌汁を通して家族のぬくもりを描いたマルコメのCMは、ネット上で「感動する!」と話題に。
一枚ずつ紙に描く従来のアニメーションの手法から
工程をすべてPC上で行う「デジタル作画」をいち早く取り入れた、いま最も旬なアニメーション制作会社です。
公式HP:http://colorido.co.jp/index.html
昨年度二回生の漁野さんが受賞した「ACジャパンCM学生賞」の授賞式のために
アニメーション専攻の野村ゼミが東京へ行ったのですが、
せっかくなので東京のアニメ制作会社を見学させてもらおう、ということになったのです。
ほとんどの人がアニメーション業界を目指す野村ゼミのメンバーにとって、
実際の制作会社を見学できるというのは、とても貴重な機会…!
さて、会社の予習もしたところで訪問を。
3月30日午後。東京湾に連なる京浜運河を見下ろせるビルに、スタジオが設置されていました。
スタジオの入口には「台風のノルダ」や「陽なたのアオシグレ」の大きなパネルが置かれており、
メンバーはさっそく興奮ぎみ。
まずはスタジオで「デジタル作画」を担当しているアニメーターの間﨑渓さんに
実際にデジタル作画の工程を見せていただきながらお話を伺いました。
わたしが所属している野村ゼミをはじめ、
ほとんどのアニメーション制作会社は、2Dアニメーションの制作での作画はすべて紙媒体で行っています。
パラパラ漫画の要領で一枚ずつ紙に絵を描いたものを、スキャンしてPCに取り込み、
編集や仕上げの作業を行っていきます。
この従来の「アナログ作画」では、山のような動画用紙と鉛筆を消費するのですが、
デジタル作画では紙ではなく液晶タブレットを使ってPC上で絵を描くので、当然それが要りません。
また、アナログ作画では必ず存在する「スキャン」という工程が、デジタル作画にはありません。
描いたものはすでにデータになっているので、それをそのままやり取りできるのです。
コロリドさんでは、原画マンが描いた原画を動画マンが中割りし、上がった動画をペイントし…という
部署をまたぐ作業がすべてクラウド上で行われていました。
わたしも使っているのですが、「サイボウズ」という
チャットやデータのやり取りができるサービスを利用されているようでした。
つまり、紙を袋に入れて受け取ったり渡したりというような
実際の作業とは関係のない部分の時間が大幅に削減できるわけです。
もちろん、スキャン作業も必要ありません!
(アナログ作画をしている人なら、スキャン作業の大変さは身に沁みているはず…)
これはすごい革命です……!
間﨑さんのお話を聞いたあとは、代表取締役の宇田さん、作画の間﨑さん、制作進行の方数名と会議室でお話をしました。
今回授賞した漁野さんのACジャパンのCMや、四回生のつくった短編アニメーション集も観て頂けました。
まさに今隣の部屋でプロの仕事をしていたクリエイターの方々に
作品を観ていただく機会は、ものすごく貴重…!
学生のうちに「作品としてきちんと完成させたもの」が何本もあるということをいちばん褒めていただきました。
自主制作、っていうとわりと絵コンテやテストムービーをつくっただけで投げ出してしまいがちですもんね…
美大生の陥りやすい症状です…。
また、クリエイターの方ときちんと名刺交換もさせていただきました。(!)
プロの方と出会える機会というのはおもいがけないタイミングであったりするものなので、
ちゃんとした名刺は学生のうちから作っておいたほうが絶対にいいですよ!
その後スタジオをぐるりとまわり、
「フミコの告白」で話題を呼んだ石田さんや、監督の新井さんともお話できました!
本当にすごい機会をいただいたと思います…!!
「フミコの告白」を制作された石田祐康さん。
野村先生の教え子のみなさんもコロリドで活躍されています。
さて、今回の訪問ではおもに「デジタル作画とは?」という部分を
深く教えていただけました。
デジタル作画はロスがない、というのをお伝えしましたが、
もちろん、アナログ作画がデジタル作画より劣っているというわけでは決してないし、
今はまだアナログ作画の方が業界的には主流です。
でも、今やすべてがクラウドで管理できる時代……
いつかアニメ業界も、すべてがデジタルに置き換わる日が来るのかもしれません。