こども芸術学科

ロンドンでのワークショップ開催の報告

この春からゼミを担当することになりました彦坂敏昭です。

こども芸術学科では、異なる専門性を持ったふたりの教員がひとつのゼミを共に受け持つという素敵なスタイルを採用しています。僕の担当するBゼミも例外ではなく、学科立ち上げ当初からゼミを担当しておられる岸本先生が運営するBゼミに、彦坂が加わることになりました。ふたりの間におこる緊張感が学生さんにとってよい環境となるように全力でのぞみたいと思っています。(笑)

 

また、僕自身、今年の1月に第一子が生まれ、これからの仕事の中で、こどもを通して芸術のことを、芸術を通してこどものことを考えたいと思っていたタイミングでしたので、こども芸術学科の仲間に加えていただいたことをとても幸せだなぁと感じています。

 

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さて、僕は2015年にポーラ美術振興財団の在外研修員としてイギリスとアイスランドにあわせて1年間滞在していました。その時からの縁もあり、今、またロンドンに来ています。20163月に僕が日本へ帰国した後にロンドンに訪れた春もこんな感じだったのだろうかと思いを巡らせながら、今年の春を満喫しています。

今回の滞在の目的は530日から大和日英基金(ロンドン)で開催する展覧会に向けたワークショップ「影を拾う」の開催でした。

このワークショップでは、参加者の方々に持参してもらったフラッシュ機能付きのデジタルカメラに彦坂自作のアナログデバイスを装着してもらい、夜歩きしながら撮影をするといったものでした。カメラとアナログデバイスを使用し、フラッシュとともに四角い影を落とし写真に収めるといったものでした。

 

ワークショップでは本田江伊子さんの素晴らしいサポートのおかげでスムーズに開催することができました。本田さんはイギリスで活動するキュレーターでもあり、現在はオクッスフォード大学の博士課程に在籍されている歴史学の研究者でもあります。大和日英基金での個展ではキュレーターとして関わっていただく予定です。

 

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さて、ワークショップではこんな写真がとれました。

写真中央の影が落ちた箇所に注目してみるとなにやら不思議な像が現れています。

この不思議な像は、シャッターを押せば必ず現れるわけではく、10回に1回、素敵な手触りを持った像は100回に1回ほどしか現れません。涙。宝探しのようです。

 

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その後、ギリシャのアテネにも滞在したので、せっかくだからと、目覚まし時計を夜明け前に設定し、ワークショップ「影を拾う」をひとりでやってみました。

 

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鳩。。夜が明けてしまったのでうっすらと四角い影が。。

 

アテネでは、撮影にとても苦労しました。

夜明け前のアテネの市街地を歩きながら、それはなぜなんどろうかと考えてみると、市街地には思った以上に凸凹(凸凹のバリエーション)が少ないということに気づかされました。少し足を伸ばし、旧市街地に行くと凸凹のバリエーションが豊かになる傾向がありました。

その後も夜の明けたアテネで、凸凹とはなんだろうとぐるぐると考えつつ、昨晩、日本に戻ってきました。

 

さて、ロンドンの個展では、この写真の作品をベースに絵画や映像などさまざまなメディアを使用した作品を合わせて展示する予定です。530日からの会期中にはアーティストトークやゲストをお招きしてのトークイベントを開催予定です。

 

大和日英基金web http://www.dajf.org.uk/ja/

本田江伊子web http://www.eikohonda.com/

 

このワークショップは資生堂グループの協賛を受け開催致しました。

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