芸術学コース 天野 真理奈
芸術学を学ぶなかで、あらゆる芸術的表象が多面的な要素をもってブラッシュアップされていく過程に興味をもちました。それは時に、特定の地域や文化、時空といった垣根をも越えて、新たな創造へと投影していくべく芸術家たちの努力や創造力をも垣間見ることができます。なかでも、日本と西洋の文化交流が盛んになった近世・近代期の芸術動向を「受容」という観点で俯瞰すると、日本は西洋に、西洋は日本に互いに影響を与え受けながら、循環的な機能をもって新たな創造が達成されていったことに気付かされるのです。
こうした動向を踏まえて、本論では鮮麗な色相感をもつ西洋生まれの青色顔料「プルシアンブルー」に着目し、その効果を最大限に活用した葛飾北斎・歌川広重の創作活動の足跡を辿ることで、新たな造形と感性の一端を顕示することを目的に研究を進めました。彼らが「プルシアンブルー」をもって残した特異な情緒性と奥行きのある画面構成は、旅ブームに沸く当時の庶民衆にはもちろん、後代の版画家や国内外の芸術家たちにも大きく受容され、彼らに新たな創造表現の一味をも与えていきます。
ーー本研究を通じ、気持ちの赴くままに多様な資料や作品と向き合う時間は、大変有意義なものとなりました。
プルシアンブルーが誘起させた新たな造形と感性の一端とは
-葛飾北斎・歌川広重の足跡を辿って-
天野 真理奈
芸術学コース
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