歴史遺産コース 岡見 みどり
本研究の舞台の大山寺(神奈川県伊勢原市大山)は、
神仏分離令で廃寺となりながら明治18年には早々に再建されました。
今は阿夫利神社下社が建つ地を失い、
山中の狭隘地に再建するという難工事をだったようです。
本研究は、再建正棟梁の手中明王太郎景元に率いれられた大山大工が社中決議をした行動を通して、
研究事例の少ない江戸時代末期の在方大工の組織の一端を明らかにすることをテーマとしました。
江戸時代の大山町は門前町であり、住民は御師、大工職をはじめとする諸職、商人です。
大工職や諸職が職業的に連帯した様子はなく、必要もなかったのでしょう。
大山寺再建にあたり再建を担う大工職や諸職が社中決議をしています。
在方大工の文字史料は少ないのですが、
幸いにも手中明王太郎家に歴代の明王太郎の史料が伝来し、
特に明治初期の20年間はその多さから明王太郎家にとっても画期となっています。
この史料群に感動し、史料を翻刻しようと思いました。
大山大工がなぜ社中決議をしたのかを、
大工棟梁の明王太郎との関係、明治前期の時代背景、大山寺領である門前町の地域性の
三つの視点を加えながら考察しました。
大山大工と廃寺大山寺再建
神奈川県
岡見 みどり
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