明治期の女子裁縫教育におけるお細工物
和の伝統文化コース 黒田正子
卒業研究は「ちりめん細工」に関することというのは、入学前から漠然と考えていた。それは、20年近く携わってきた「ちりめん細工」がどのような歴史があり、女性たちの間でどのように伝えられてきたのかを研究してみたいという探求心からだった。
「ちりめん細工」という名称は姫路市香寺町の日本玩具博物館館長井上重義氏により命名されたものであり、明治期においては、女子裁縫教育の中で「お細工物」「裁縫おさいくもの」の名称で教材として取り上げられ、現在も多くの作品や、裁縫書や手芸書が残されている。それらを使って、明治期を中心とした女子裁縫教育とお細工物との関連性について研究を行った。
明治期以降の教育制度の中で、女子には「良妻賢母」を理想とする教育方針が掲げられた。その考えに基づいて、女子のみに裁縫科目が加えられ、お細工物は、その中の教材の一つであった。多くの女学生が取り組んだお細工物は、倹約精神や美的センスを養うこと、裁縫技術の向上を目指していた。しかし、女性たちの中にはお細工物をただの学校教材としてだけでなく、様々な工夫を凝らした作品つくりしていた人や、お細工物を生活の糧にしていた人など様々であったことを知ることができた。今回の研究を通して、明治期の女性たちのお細工物に対する思いを垣間見ることができた。
黒田正子
和の伝統文化コース
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