毎日うちあたい
文芸コース 新垣 陽子 (あらかき ようこ)
小説を紡ぐイマジネーションが欠如しているから、おのずとエッセイという形を選ぶことになった。空っぽだと思っていた自分の中に、こんなにたくさんの想いと言葉があふれているとは知らずに。
書きたいことが定まらない。断片のように浮かんでは消えるエピソードをどうしたらいいのか分からない。混沌の中で立ちすくんでしまった私の背中を押してくれたのは、野口良平先生の全体講評の言葉だった。
「ぼんやりとしたイメージからはじめて、偶然の力を借りながら出たとこ勝負で歩みを進め、やはりぼんやりとしたイメージで終わる」
野口先生のおっしゃる「着想を言葉でさぐりあてていく」試みをやってみることにした。心掛けたのは、首尾一貫性を求めないこと、そして、いかに平熱で書くかということだけ。「自分が身を置く世界を『わからないもの』として受け止め直して、未知の自分の声を聴きとり、それに言葉を与えようとすること」は苦行だったけれど、半ばワクワクする冒険でもあった。
この卒業制作は、誰かのために書いたのではなく、自分のために、考えるために書いたのだと思う。これからも考えるために書いていく。自分の何かを深めるために。
Tag
新垣 陽子 あらかき ようこ
文芸コース
むつかしくない言葉で、ふだんの言葉で表現すること。
沖縄の離島で一匹の犬と暮らしています。
このコースのその他作品