仙厓《三聖画賛》ー江戸時代の禅僧が描いた神儒仏思想ー
芸術学コース 中原真輝
私の卒業研究は、江戸時代の禅僧仙厓の《三聖画賛》を取り上げました。度々仙厓の展示に足を運んでいましたが、この作品はまだ一度しか見たことがありません。その展示を観た時、やけに「神儒佛」の字が目立ち、「神官」が浮いて見えたことから強く興味を抱きました。
描かれている神儒仏の三聖者のうち、神道部分は「天照大御神」ではなく「神官」を描いています。そのため「なぜ神官を描いたか。なぜ道教を神道に置き換えたのか。」というテーマを掲げました。
道儒仏、または神儒仏三教一致思想の美術作品に関する日本の研究は少なく、仙厓は作品に対する手掛かりを残していません。《三聖画賛》の先行研究は、「仙厓の総合的な宗教観を代表する」という文言で溢れています。また賛を二通りにも解釈しています。そこを道筋にして、仙厓の思想や行動、当時の地域状況、江戸時代の他者の神儒仏思想など、広範囲からテーマとの関連性を見出すためにかなり調べました。
まだ課題は多く、結果もなんとかまとめましたが、ひとつの作品をじっくり研究することで、仙厓の作画に対する真意を考察出来たと思います。先生方のご指導には深く感謝申し上げます。
中原真輝
芸術学コース
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