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わたしの金継ぎ体験記

アートライティングコース 小澤京子

 金継ぎ教室に通った15か月間を、日記形式に綴りました。母からもらった抹茶茶碗。一度も使うことなく粉々に割れてしまい、ショックで見るのもつらく、ばらばらになった破片を集めて棚の奥にそっとしまったままにしていました。ある日ふとしたきっかけで金継ぎ教室に出会い、もとの姿に戻してあげられるかもしれないという期待感いっぱいにして通うことになりました。器に触れて、手を動かし、じっくりと丁寧に作業していると不思議と心が落ち着きました。そして通うたびに、器に対して愛着が増していくのを感じました。なぜそんな気持ちが生まれるのだろう、毎回教室に通うワクワクした感情を伝えたいと思うようになりました。
 教室であるアトリエは木でつくられた自然のなかにいるような佇まいで、先生のこだわりがつまっている場所でした。先生のアートに対する想いも聞かせてもらうことができました。「金継ぎってなに?」と聞かれたら器を修繕する技法のことだとなるのかもしれませんが、その作業の日々は私と器の対話の時間でもありました。土の手触りや関わった人の想いなど、目には見えないけれど多くの存在を感じる、たのしく豊かな経験となったのです。

小澤京子

アートライティングコース

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