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アートライティングコース 2021年度履修生

 高校二年の秋、私は一人の同級生と立入禁止の校舎屋上にあがった。よく晴れた昼休みのこと。人気のない非常階段の天井に銀色の扉を見つけた私たちは、壁の上部にとりつけられた梯子をのぼってみることにした。
 その同級生と私は「親友」と断言できるほどの間柄ではなかったが、お互いに一人の時間をもてあましていた。とりわけ教員からしばしば指導を受けていた彼女は葛藤を抱えていたと思う。色白で小柄ながら異彩を放ち、ジョージ朝倉の漫画を愛読する彼女の名前は大森靖子。2014年にメジャーデビューし、今や全国的に有名となったアーティストである。
 本稿で提示するのは、2020年リリースのアルバム『Kintsugi』の収録曲「堕教師」の鑑賞体験だ。「堕教師」という歌は、大森靖子の幅広い活動経歴の中の、たった一曲に過ぎない。しかし、高校教師になった私にとっては、どうしても見過ごすことのできない一曲だった。



愛媛県

大森靖子「堕教師」鑑賞――同級生の視点から

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