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アートライティングコース 芝原 祥子

墓じまいのこと、先祖についてほとんど何も知らないこと……漠然と抱えていた気掛かりが、祖母の死をきっかけに一つにつながっていきました。その見えない糸を手繰り寄せるように、はたまた導かれるように、私は先祖を辿る旅にでかけました。先々で語りの場に触れたことが、結果的に墓じまいに対して前向きな心構えをもたらしたように感じています。
今回、私は二つの場所を訪ねました。曽祖父や祖父が暮らした北海道美唄市我路地区はかつて炭鉱で栄え、閉山とともに地図から消えた町です。祖母が生まれた料亭も地元では誰もが知る名店でしたが、これも今や姿カタチもありません。それでも人々が語る我路の町や料亭の話は生き生きとしており、当時を知らない私も強く心惹かれるほどでした。
語りは失ったものを呼び起こし再現する。そう気づいた私はその力に着目し、墓じまい後の先祖の捉え方について思いを巡らせました。本稿が同じ問題に悩む方々にとって少しでも一助になれば幸いです。


東京都

消えゆくものと、語りがもとに戻したもの

芝原 祥子

アートライティングコース

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