芸術学コース 山田 桂子
入学時には、まさか私が卒業研究で鎌倉期の仏教美術に取り組むとは、しかも、金剛力士像をテーマにするとは夢にも思っていませんでした。入学時点では何もテーマを考えていなかったので、初年次は様々な科目を学ぶ中でテーマを探る一年となりました。テキスト科目「美術史(日本)・彫刻編」で課題の一つに東大寺南大門金剛力士像がありました。如来像、観音像など尊格の高い仏像は畏れ多い存在ですが、金剛力士像は「怒り」を露わにした勇ましい姿であり、仏像の多様な表現を感じ、興味が沸きました。
東大寺南大門像はすでに先行研究も多かったので、他の金剛力士像を探しているうちに、興福寺旧西金堂金剛力士像に出会いました。髻も天衣もないその姿は、南大門像の威容とは大きく異なる、というのが第一印象でした。興福寺の寺伝では「定慶作」となっていますが、異論を唱える研究者も多く、制作者も制作年も不明であることがわかり、卒業研究として取り組みたいと思いました。
拠り所となる史料が発見されていない中で、仏像そのものの像容を観察し、他の仏像との比較を行いながら、制作者を類推していく過程に、研究の楽しさを見出しました。
東京都
興福寺旧西金堂の金剛力士像について
山田 桂子
芸術学コース
このコースのその他作品