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芸術学コース 笹島 繁

 J.M.W.ターナーの描いた晩年の風景画は、光や色彩の使い方がそれまでの絵画と一線を画するものも多く、絵画自体にダイナミックさや「動き」を感じる。
 ここでは、ターナーの作品を中心にその変遷を明確にし、なぜ独自の表現方法に至ったのか、そこにどのような意図があるのか、結果的にターナーの風景画は何を表現しているのか、などを考える。それによって、近代以降において風景画が歴史画に代わって主流となりえた、その構造の一端を垣間見る。
 特に伝統的な「崇高」さをどのように考えて風景画の中で発展させてきたかを明らかにする。例えば、これまでの歴史的で「崇高」な物語に代わって、目の前に存在する現実の中に新たな「崇高」が配置され、個々人が自らの意識の中でそれを確認することとなった。これは絵画の受け手側に対して価値の多様化を生み出している。しかも、ターナーはモダン・アーティストとして突如登場したのではなく、アカデミズムの伝統の中から連続的にその状態を作り出している。



東京都

J.M.W.ターナーの絵画表現変遷から考える風景画

笹島 繁

芸術学コース

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