芸術学コース 山口 德郎
私は洋画が趣味で田舎の家を少しリフォームし、中世から戦前までの絵画を多く飾って楽しんでいます。この洋画をもっと別の角度から深く掘り下げて鑑賞できないかと思い入学したのです。しかし、進級するたびに学びの分野が広がり、卒業研究のテーマを絞り込むことが非常に困難になっていきました。結局難しく考えず、テーマは日常どこでも目にする神社仏閣や自宅の庭園などの添景物になっている「石造物類」で、「伊賀の石造物の地域性と特色について」としました。
しかし、この安易な考えが後に大きな間違いだったことに気づきました。それは日本の仏教の歴史に大きく係わっていたからです。伊賀の石造物造立の背景には、奈良・平安仏教と鎌倉旧・新仏教が大きく係わっています。特に平安末期から鎌倉時代にかけて石造物の原形が出来上がっていきましたが、その後鎌倉中後期の混迷した時期に石造物が造立されていったわけですから、その背景は複雑で想像がつきませんでした。
現在の寺社に鎮座している石造物は、時代の激変に耐えその度に移動を繰り返し、辛うじて原形をとどめ痛々しい姿で座っています。この先このまま何事もなく安座していってもらいたいです。
三重県
伊賀の石造物の地域性と特色について
-石造塔を中心にー
山口 德郎
芸術学コース
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