これからのファッションのあり方
-革から考える-
芸術学コース 寺澤 希世子
ファッション産業は、製造過程や運送、消費から廃棄に至るまで環境負荷が大きく、世界で第2位の汚染産業と言われている。大量生産・大量消費に慣れ親しんでいる状況において、これからのファッションのあり方を問うことは簡単なテーマではないと考えられたが、気候変動や食糧危機などを通して、私たちは地球資源の有限性を否応なしに気づかされている。私たちに身近なファッションのこれからを問うことは、地球環境を改善する大きな鍵になると考え研究することとした。
研究ではブランド設立時から環境に負荷を与えない方法で製品作りをしているファッションデザイナーのステラ・マッカートニーの取り組みやデザインを取り上げ考察を行った。年代順に8点の製品を取り上げることで、「サステナブルファッションのパイオニア」と呼ばれていても、ファストファッションブランドとコラボレーションを行い騒動を起こしていたこと、著名な両親のもとで馬と共に育った経歴をブランディングに利用していること、石油化学製品が使用されている製品もあり、生分解性の課題が残されている点などを指摘した。しかしながら消費を促す産業であるファッションのデザイナー自身が環境問題について語ることは、矛盾と偽善が表面化することになりかねない中で、マッカートニーはそれに屈することなく、環境への負荷を抑えたクリエイティブな製品作りを粘り強く続けていることを強調した。そして人間の都合ではなく、地球の側になって考えることがこれからのファッションには必要であると締めくくった。
寺澤 希世子
芸術学コース
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