歴史遺産コース 小林 里香
浄土宗・八幡山浄光院森巖寺は、江戸時代の慶長期に御府内から三里(12キロ)ほど離れた武蔵国荏原郡下北沢村に、結城秀康(徳川家康の次男)の遺命にて草創され位牌所になったと伝わる。
森巌寺の境内には、開山者である清誉和尚が紀州名草郡加太の出身で「紀州淡嶋明神社」が産土神であり、「夢告の灸点」のお告げにより淡島明神を勧請し、北沢淡島社において「施灸」が行われ人々の口伝てにより評判となり、講中の石造奉納物や紀行文・地誌に名を馳せるようになる。
卒業論文のテーマとして北沢淡島社を取り上げたのは、森巖寺には先祖のお墓があり、幼少の頃から年に何度もお参りに行っていた場所であった。だが、徳川家との縁があることや境内にある北沢淡島社が施灸の場として江戸時代に、大変賑わっていた事などは全く知らなかったからである。調べる中で様々な地域との繋がりが判明し、他の地域の図書館で史料や文献に出会うことができた。
森巌寺の縁起が自火により消失しており、判明できない点も多数あったが、近隣村の名主の文書や下北沢村と関連があった地域の史料に巡り合うこともでき、なんとか卒業論文が完成にまでに至り、非常に有意義で貴重な経験であった。
武蔵国荏原郡下北沢村の北沢淡島社ー信仰圏の拡大についてー
東京都
小林 里香
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