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歴史遺産コース 西谷 裕之

皆さん、海辺や河原で小石を拾ってきたご経験はないですか。また、神社の境内や田舎道の祠などに小石が納められたり積まれたりしているのを見たことはないでしょうか。
小石をめぐる習俗を調べてみると、他にもたとえば、小石を拾って来て子宝・安産や諸願成就を願って寝床など家内に置く、イボをこすると治る、出産後に膳の上に置いて赤子の成長を願う、旅の守りとして身に付ける或いは親しい人に持たせる、子供がびっくりして魂を失った時に拾って呪文を唱える、などなど、少なくとも近年まで、全国各地にさまざまな事例があったことがわかります。
日本には、海や川から霊験ある何か、観音像、桃太郎、(海川ではないが)かぐや姫などを拾い上げて、祀り、思いを籠めて大事に育てる伝承があります。自然崇拝・自然信仰を基盤とする祖先達が、自然界から現れたものに霊的な力を感じてきたということでしょう。
小石を手にする習俗でも、海辺や河原という自然と接する場所で、自然界の生命力・霊力を宿した自然物である小石を拾い、さらにそこに人の心=魂を籠めることによって身を守り、祈願成就を願ってきたのではないでしょうか。そうしたところを探ってみました。


小石を手にする諸習俗の意味とつながりについて
神奈川県

西谷 裕之

歴史遺産コース

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