アートライティングコース 柴田知恵
現在の動物園では、飼育環境下での動物たちの幸せを考え、さまざまなデザインの動物展示が展開されている。一方で動物倫理の観点から動物園を批判する人も増えている。日本の動物園も種の保存や教育、調査・研究、レクリエーションの4つを役割として掲げるようになったが、日本では動物園批判の弱さや、資金難、地方自治体による運営といった事情から、特に欧米の動物園に比べ、最初の3つの役割を果たすスピードが遅いようである(註1)。市民も動物園を教育やレクリエーションの施設として見るか、不要な施設として見るかの両極に陥りつつあるように感じる(註2)。両極のバランスを取る第一歩として、動物園にさらに関心を持ってもらうきっかけを考えてみたい。野生のシカと触れ合える奈良公園を俎上に載せ、動物園との類似点を明らかにし、奈良公園から次世代の動物園を予想する。
註1.佐渡友陽一『動物を考える 日本と世界の違いを超えて』東京大学出版会、2022年、25~60ページ、100~105ページ
註2.太田匡彦、北上田剛、鈴木彩子『岐路に立つ「動物園大国」: 動物たちにとっての「幸せ」とは?』現代書館 、2022年、148~173ページ
神奈川県
奈良公園は動物園なのか? 時代は奈良公園に追いつく
柴田知恵
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