2013年年京都芸術劇場――新しい《ステージ》を目指して!
京都芸術劇場・舞台芸術研究センター関係者一同になりかわり、新春の御慶を申し上げます。今年も昨年以上に,ご期待の添えるような企画・演目を御覧頂けるよう、一同「初心」を忘れずに頑張る覚悟でございますので、宜しくお引き立てのほどをお願い申し上げます。
さて、2013年は、能の大成者世阿弥の生誕六百五十年記念の年に当たりますので、能狂言の企画に、従来以上の力を入れる予定です。
まず2月2日(土)には、既に「春秋座-能と狂言-」においておなじみの観世銕之丞氏のシテで、京都に縁の深い『融』によって、「六条河原院」の廃墟を舞台に展開される、世阿弥の代表作の一つに数えられる宇宙的な広がりをもつ《風流(ふりゅう)》によって、世阿弥の「詩劇」に浸って頂くと共に、野村万作・萬斎両氏による『磁石』によって、「騙そうとする者が、反対に騙される」喜劇の典型を見て頂きます。
「春秋座-能と狂言-」は,幸いにも、能狂言の最も「生きのよい」演者のご出演を得ていますが、この際、強調しておきたいのは、能は「音楽劇」であり、地謡は言うまでもありませんが、囃子方が良くなければ、良い舞台は成立しません。この点でも、幸い、笛の藤田流宗家六郎兵衛氏、小鼓大倉流宗家源次郎氏、大鼓葛野流の最も優れた若手演奏家である広忠氏を常連としてお迎えしていますから、音楽劇としての能の、現在望みうる最高のメンバーによる演能が可能になっています。暮にも、広忠君の主催する会で、このメンバーに片山九郎右衛門氏の『道成寺』を見ましたが、近年の最高の出来であったことを申し添えます。
その広忠君の会では、観世宗家の清和氏が、「老女物」の大曲『鸚鵡小町』に挑まれて、位の高い舞台を見せて下さいましたが、5月24日(金)には、観世宗家清和氏に、世阿弥生誕六百五十周年記念として、『翁』を舞って頂きます。能の始原的な芸態とも言える『翁』を、春秋座の歌舞伎舞台を活かして舞って頂くのは、はじめての企画ですから、茂山七五三氏の三番叟とともに、ご期待下さい。この日には、ほかに茂山家による狂言一番と,観世銕之丞氏による半能『高砂』が「祝言」の感動を高める事でしょう。
更に7月12日(金)には、一昨年に萬斎・逸平両君の『三番叟』の競演でご好評を博しました「東西狂言立ち合い」を、東の野村家と西の茂山家の出演という形で行います。主な演目は『髭櫓(ひげやぐら)』で、大髭の夫の髭が嫌だと言って、それを抜こうとする女房と、髭に「櫓」を備え付けて防御しようとする夫との合戦が、女房側の「立ち衆」と、地謡に囃子も入るという大掛かりな展開を見せる作品で、萬斎君の大髭と逸平君の女房の戦いが見物です。他に,人間国宝万作師の得意とされる「那須の語り」によって、狂言の「語りの芸」としての面を、堪能して頂きます。
来年度という事で言えば、2014年2月には、恒例「春秋座-能と狂言-」を、能『船弁慶』と狂言『棒縛り』といった初心者にも分かり易い演目で催す予定になっております。
なお、これはセンター企画ではありませんが、本学舞台芸術学科の卒業生でもある井上安寿子君——観世銕之丞師と京舞の井上八千代先生の令嬢——の「第一回舞踊公演」が、来る2月9日(土)に、春秋座で催されます。本学卒業生が京都芸術劇場の舞台に立つ事は、学科としてもセンターとしても応援したい事業であり、今後も、「大学における劇場」の意味付けの上でも、よいきっかけになる事と考え、ここに併せてお知らせ致します。
渡邊守章
(舞台芸術研究センター所長・演出家)
人形操作など普段体験できない淡路人形浄瑠璃の世界にご案内!淡路人形浄瑠璃ワークショップやります!
カテゴリー : 過去の公演
皆様こんにちは。上田でございます。
気がついたらもう年末で、この間までクリスマスモードだった街並みもすっかりお正月モード。
華やかな街並みは心がうきうきしますね(^o^)
先日、淡路人形座さんにインタビューをしてきました。
淡路人形座さんが淡路人形浄瑠璃と地元への熱い想いが伝わる内容でした。
お話を聞いて私が特に興味を持ったのが、淡路人形座さんは「若い世代にも伝統芸能の楽しさを知ってもらいたい!」と小中高生たちに淡路人形浄瑠璃のワークショップを積極的に活動されています。
詳しいインタビューの内容は後日、春秋座HPにアップしますのでお楽しみくださいませ~
さて皆様、1/19(土)「第二回 淡路人形浄瑠璃 春秋座公演」の上演前に“淡路人形座presents 中高生のため人形ワークショップ”を開催します。
上演作品や淡路人形の特徴など判りやすく時には笑いも交えレクチャーしていただきます。
実際、人形にも触れて操作もしていただきます。
このレクチャーは、本公演のチケットをご購入頂いた小中学生を対象に参加していただけます。
“小中学生のため”となっていますが、高校生、大学生、留学生も参加していただいてOKです。保護者の方、学生以外の方は見学のみとなります。
詳細はこちら↓
淡路人形座presents
小中学生のための人形ワークショップ
日程:2013年1月19日(土)13:30~(13時受付開始)【予定】
会場:京都造形芸術大学内
対象:本公演のチケットをご購入頂いた小学生、中学生、高校生、大学生、留学生(※保護者の方、学生以外の方は見学のみになります)
※受付時にチケット要提示
定員:20名/要事前申込・先着順 ※定員になり次第締切り
お申込み:京都芸術劇場チケットセンター
075-791-8240(平日10時~17時)
※年末年始に伴い、12/27(木)~1/6(日)は
チケットセンターの窓口業務をお休みいたします。
新年は1月7日(月)10時より通常営業いたします。
ぜひこの貴重な機会をお見逃し無く!
それでは皆様よいお年を~(^o^)/
上田
演じる高校生がやってきた!
カテゴリー : 過去の公演
走れソリよ~♪
っと、去り行くクリスマスに手を振ったあとにやってきてくれたのは、
「演じる高校生」出場校の皆さん。
劇場スタッフとの打ち合わせのために、
大阪からお越しくださいました。
「よろしくお願いします!」「ありがとうございました!」
元気の良い声が春秋座に響きわたりました。
「せっかく春秋座でやるのだから照明にこってみたい。」など
意欲的に綿密な打ち合わせを行い…
さらに2校そろって劇場見学。
さあ、彼らが来年どんな熱演を春秋座で魅せてくれるのか、
どうぞご期待ください!!
ツチヤ
えっと…
カテゴリー : 過去の公演
コンニチハ!ツチヤデス!
まずは前回の答え合わせから。
えっと…干支です!
はい、こちら12が干支を凝縮した(?)イメージになっております。
まずは、本日ご紹介する「演じる高校生」の放課後トーク!
作品の感想・講評を中心に今時の高校生の実態や感性など、楽しくトークするのですが、
今年は趣向を少し変え、プレゼンターをこの方にお願いしました!
高校生を卒業して12年目、京都を拠点に活躍する注目の若手演出家・舞台美術家の杉原邦生さん。
自身が主宰する“KUNIO”や歌舞伎演目上演の新たなカタチを模索するカンパニー“木ノ下歌舞伎”で、若い感性で斬新な作品を創作。来年3月にはstudio21で公演も行ないます。
詳しくはコチラ。
そして12年目の今回はこのプレゼンターと出場校の出演者、
さらに!客席からも高校生を募ってご参加いただきます!!
高校生のみなさん!
ぜひ、この機会に春秋座の舞台にあがりましょう!
杉原さん演出作品KUNIO09「エンジェルス・イン・アメリカ」/撮影:清水俊洋
ツチヤ
賤ヶ嶽に行ってきました!part2
カテゴリー : 過去の公演
大嶋です。
京都は初雪が降りました。
そういえば昨冬は大雪だったんですよね。今年も寒そうですし、雪害がないことを祈るばかりです。
さて、淡路人形浄瑠璃の舞台、賤ヶ嶽の紹介の2回目(今回で終わりですが)です。前回はこちら。
賤ヶ嶽頂上にある『合戦図』。とても分かりやすいです。
前回の余呉湖の写真を参考に陣地を見てもらうと位置関係が分かりやすいと思います。
余呉湖の北西に前田利家が陣を構えています。
写真をじっと見ていただくと、特に陣を動かした形跡がありません。
それがこの戦いで勝家が敗れた原因の一つとも言われています。
それが憶測を呼んでフィクションとして出来た物語の一つが、上演する『清光尼庵室の段』です。
旧知の秀吉と何かしらの密約が合ったとか、信長の部下として勝家と地位がさほど変わらなかったにもかかわらず、信長亡き後は勝家と主従関係に近い状態にあったことに不満を持っていたなど色々うわさがあるのですが、本当のところは良く分かっていません。
さて、賤ヶ嶽を降りて、北國街道の方へ
リフト下りはとてもいい眺めです。
街道沿いにはこんな建物が
旧滋賀銀行の建物を利用して、賤ヶ嶽の戦いを中心とした博覧会を開催しておりました。
こちらの展示は12/2までの予定でしたが、3/31まで延長して開催しているようです。
街道を歩いているとこんなものが
特にサラダが中に詰まっているパンではありません。
中身は…一度食べて確かめてください。
最近テレビ等でも取り上げられているので、ご存知の方もいらっしゃいますよね。
私が1つ買おうとしたら、10~20個買っていく方がいらっしゃいました。
すごい人気!
冬シーズン到来で、余呉湖の北にはスキー場などもあります。
スキーとセットで訪れるのもいいかもしれませんね。
大嶋
『演じる高校生』チラシ四方山話!
カテゴリー : 過去の公演
コンニチハ!ツチヤデス!
さてさて、イデさんが以前に出場校を紹介してくださいました
1月27日(日)開催の『演じる高校生』のチラシが出来上がりましたYO~!
昨年の『演じる高校生』のデザインもしていただいた西村さんと、制作チームで話し合い、
今年のテーマにもある「12年」=「ひとまわり」をモチーフにしたデザインとなりました。
写真のモデルになってくださったのは、高校を卒業して12年目の3名と、現役高校生の2名。
高校生モデルには、昨年『演じる高校生』に出場した大谷高校2年生高田若葉さんと法隆寺国際高校3年生の大西貴也くん。
彼らの写真には、「12年」後の姿をお写真にイラストで描いています。
みなさんにはお2人の将来の夢が何かわかりましたよね??
正解はチラシの裏面に載っています。こっそりご覧ください。
さらに、実際に高校を卒業して「12年」目の皆さんにもモデルとしてご協力いただきました。
左から、京都で人気の劇団“ニットキャップシアター”俳優の澤村喜一郎さん、関西でプレイガイドにお勤めの三浦有紀さん、京都出身で現在は東京を拠点に活動する役者・ダンサーの黒田政秀さん。
デザイナー西村さんが当時どんな高校生だったかお話を伺い、
証明写真機で撮影!
こうしてお話をもとに、「12年」前の姿をお写真にイラストで描きました。
どんな高校生だったか、わかりました??
やっぱりこちらの答え合せもチラシの裏面で。
「12年」、干支がひとまわりして
アナタが高校生だった頃から、
「高校生は変わった?」
「高校生は変わらない?」
いまどきの高校生の演じる姿に
どんな高校生だったか少し思い出しながら、
第12回『演じる高校生』お楽しみください!
おっと、今回のキャッチコピーのこのロゴ↓
「12」の部分、なにか気づきますか?
年賀状を準備するこの季節、気づく方も多いかな?
正解は次回の『演じる高校生』のブログで~
ツチヤ
賤ヶ嶽に行ってきました!
カテゴリー : 過去の公演
大嶋です。
今年の京都は、ここ近年の暖冬の影響が少ないためか、久しぶりに京都らしい紅葉シーズンを迎えております。
冬がやってきますね…。あ~冬のないところに行きたい…。
さて、冬に行なわれます『第二回 淡路人形浄瑠璃 春秋座公演』。今回の演目は「賤ヶ嶽七本槍」の中のお話…ということで私、賤ヶ嶽に行ってまいりました!
写真が多いので小出し小出しに(笑)、2回にわたってお届けします。
賤ヶ嶽は琵琶湖の真北、余呉湖と琵琶湖を挟むような位置にあります。
賤ヶ嶽の頂上へはリフトを利用するといいですよ。約5分で頂上付近まで到着!
頂上まで約300m!近い!!
ただしここからご注意を…。ここから頂上までちょっと急坂のところがあります。
スニーカーで行くなど動きやすい装備で行かないとえらいことになります。
ということで到着。
こちらは琵琶湖です。
こちらは琵琶湖の西。
向こうの山の麓を南北に走るのが「北国街道」です。
琵琶湖です。海ではありません。
北側(琵琶湖と反対側)が余呉湖です。
秀吉軍はこの地に本陣を置き、湖を挟んだ北に陣を置く柴田勝家軍と相対しました。
秀吉の肩を持つつもりではないのですが、見晴らしが絶景で、戦局を見据えるには絶好のロケーションですね。
ということで本日はここまで…。
本当に景色がいい所です。高速道路のインターチェンジや駅も割りと近くにあるので、アクセスも結構便利です。
雪が積もる前に、お時間があればぜひ!
大嶋
出場校決定!
カテゴリー : 過去の公演
こんにちは!
イデです。
先日、和歌山県紀ノ川市の粉河(こかわ)に行って参りました。
和歌山市から紀ノ川を遡っていくとある、とても静かな町で、観音めぐりで知られる粉河寺や日本で初めて全身麻酔による手術を行った江戸時代の医者・華岡青洲の出身地として有名だそうです。
なぜ粉河に行ったのかといいますと、そこで高校演劇コンクール近畿大会が開催され、つまりは1/27(日)に開催する「演じる高校生」の出場校が決定する、その現場に立ち会うためであります。
10の候補校の上演のなかなから、2校が選ばれる、その瞬間に立ち会うのは中々ドキドキします。
高校生たちが汗と涙を流して仕上げてきた作品はどれも熱意がストレートに伝わってくるものばかり。
若返ったような気にもなりますが、全部見終わった後はクタクタになります。歳かな。
そして、いよいよ出場校が決まったわけです!
ご紹介します!
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「ROCK U!」 趙清香(生徒)作
舞台は荒れた教室。
差別も国籍も生い立ちも
全部の壁をぶちこわせ!
実体験をもとに描く、ガールズスクールデイズ。
大阪市立鶴見商業高等学校(大阪・2回目)
一昨年も出場した鶴見商業さん。
当時1年生だった生徒さんが、再び春秋座の舞台に上がります。
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「駱駝の溜息」 山口大樹・黒崎裕基(生徒)作
男子演劇部員、窮する。
新入部員ゼロを回避せよ。
ていうか、その気あるの?
大阪・堺からやってきた超脱力系コメディ。
精華高等学校(大阪・初出場)
初出場の精華高校さんは、高校生ならではのゆる~い空気を舞台上に展開。
肩の力が抜けた演技で楽しませてくれます。
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今年は12年目ということもあり“ひとまわり記念企画”もご用意しております。
こちらの詳細も近日公演詳細ページにアップされますので、お楽しみに。
ぜひぜひ、お越し下さい!
イデ
舞台裏からコンニチハ!vol.59
皆様こんにちは。上田でございます。
紅葉も見ごろになり京都市内は多くの観光に来たお客様でにぎわっています。
先日の三連休の初日にミュージカル「ファンタスティックス」を開催しました。
たくさんのお客様にお越しいただき、厚く御礼申し上げます。
さて、「ファンタスティックス」はもともと学生が学内で上演していた作品です。
なので、大掛かりな舞台装置はなく、舞台の中心にやぐらが組まれているだけのとてもシンプルなものでした。しかしやぐらは時には厚い壁に見えたり、時には広い世界に見えたり、様々な想像を膨らませてくれる空間になっていました。
演奏もピアノとハープで構成され、キャストの素敵な歌声がより近くに感じられたと思います。
私はエル・ガヨとマットのデュエット曲“I Can See It”で、宝田さんの低音と松岡さんの高音のハモリに思わず鳥肌が立ってしまいました。
ミュート役の本間さんは始終言葉を発することはありませんでしたが、存在感と演技に魅了された人も数多く。私もそのうちの一人です(^ω^)
どこか影のあるエル・ガヨの黒と赤の衣裳と、純粋なマットとルイザの真っ白な衣裳のコントラストがシンプルな舞台で一層映えていました。
上演中にファンの心をくすぐる嬉しいサプライズやプレゼントもあり、楽しい公演でした。
また1971年初演の貴重な写真をホワイエで展示しました。
お越し頂いたお客様の中には、初演の公演を観られた方もいらっしゃるかもしれませんね(^o^)
宝田明さんは“ダンディ”という言葉がぴったり!
背が高く、心に響く素敵な声で、気さくに私を下の名前で呼んで下さり、もう私は宝田さんにメロメロになってしまいました~(ハート)
しかもなんと上田は宝田さんのサインまで頂きました!
もう嬉しくて嬉しくて舞い上がってしました~!
ルイザじゃなくても好きになってしまいますよ!
毛筆でわざわざ書いて下さいました!
うれしい言葉も添えていただき、我が家の家宝にします!!(泣)
「ファンタスティックス」も残すところ九州、岐阜、東京公演となりました。
ミュージカルが好きな方、ミュージカルを観たことが方、何回も観られている方、世界中で愛されているミュージカル「ファンタスティックス」を是非是非ご覧下さいませ~!
上田
本日の京都芸術劇場は…
春秋座にて
がございます。
開演は14時、開場は13時30分からとなっております。
上演時間は途中休憩を含みまして、2時間30分を予定しております。
当日券もご用意しております。
皆様のご来場をお待ちしております。
舞台芸術研究センター