大学院

守屋友樹さん 「蛇が歩く音|only the voice remained」

本学修了生の守屋友樹さん(2011年度修了)の個展が、京都・Gallery PARCにて開催されます。
昨年の南丹市での個展にて発表された作品を再構成、新作を加えた展覧会となります。

ぜひお越しくださいませ。

 

 

(以下、Gallery PARCより引用)

「蛇が歩く音|only the voice remained」 守屋友樹

凍結した諏訪湖の湖面が割れる音を聞いたことをきっかけに「蛇が歩く音」という作品を作り始めました。氷が割れているはずなのに目視できず、音だけが延々と響いている状況に、僕は心地よさと不気味さを感じました。また、目には見えないからこそ想像できることに興味を抱きました。以来、その音を聞こうと冬の湖を繰り返し訪ねています。あの音はどのようなものだったのか、どうして心に揺らぎを起こしたのか。刹那的で一度きりの体験のあとに、音の不在(記憶にしかない音)から湖や水辺が表象する伝承や実際に起きたことに関心が広がり、リサーチするようになりました。「かつて聞いた音」という既に失われてしまったものを始まりとして、その場所や歴史、話を聞いた人たちの声が、湖面が割れる音から外へ外へと僕を連れ出してくれるようでした。不在について考えることは水鏡を覗くようなもので、水面に写る自身とその背後に広がる景色を映し出すと思っています。もっと端的に言えば死から生を見返すようなものと言えるかもしれません。

去年の秋に南丹市八木町内にある元酒蔵でこの作品を発表をした際、副題を「walk with serpent」としていました。作品内に出てくる蛇という象徴が目には見えない形となって共に時間を経ていくことを暗示としてつけたものです。今回、目には見えないもの、聞くことができない音を想像してみた時、不在の周辺から物語るいくつもの声があることを意識していました。展示会場や八木町内で出会った人たちから蛇にまつわる話を聞き、パソコンで文字起こしした際、肉体から離れた声がモニターに表示されていることに気がつき 「only the voice remained」(声だけが残った) と変更しました。

 

「すべ と しるべ(再)2021-2022 #01 守屋 友樹 蛇が歩く音|only the voice remained」
[会場]Gallery PARC | GRANDMARBLE
    〒602-8242  京都府京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルヂング 2階
[会期]  6月11日–7月3日
[開廊時間]13:00〜19:00
[休廊日]水・木曜日

https://galleryparc.com/pages/exhibition/ex_2022/2022_0611_moriyayuki.html

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