文芸表現学科

アフレコ初体験

 
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2回生の授業「表現基礎IV」では、後期の後半7週間をかけて、
「15分間の映像作品をつくる」ということに取り組みました。
 
なぜクリエイティブ・ライティングコースで映像なのか!? 
というと、映像をどう編集して繋ぐか、というのは物語づくりと似たところがあるからです。
また、企画を立て、取材対象に交渉をし、グループで作品をつくりあげることは、雑誌づくりにも通じるものもあります。
 
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はじめての映像撮影、編集作業に、学生たちはかなり困惑していた様子ですが、できあがった作品は、予想を超えて面白く、それぞれ工夫が見られました。
 
終盤、編集のおわった映像にナレーションを吹き込むため、キャラクターデザイン学科の岩本先生にご協力いただき、アフレコ室で録音作業を行ないました。施設も素晴らしかったのですが、ナレーションについて、岩本先生にはたいへん丁寧に教えていただきました。ありがとうございました。
 
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そんなアフレコを初体験した、三木亜由美さんのレポートをお届けします。
 
 
 
「自分を聞く」
 
 
 耳元で自分の声がする。ドッペルゲンガ―に内緒話をされたら、こんな風になるのかもしれない。
 
 1月9日、私は青窓館のアフレコ室に来ていた。「表現基礎IV」の授業で15分間のインタビュー番組を作ることになり、そのナレーションをとるために、キャラクターデザイン学科が所有するアフレコ室を貸してもらうことになったからだ。協力してくださったのは、キャラクターデザイン学科の岩本守弘先生だ。先生が機器の操作をしてくださったおかげで、私はただ映像を見て喋ることにだけ集中できた。
 
 声を録る場所は機器の操作をする場所とは別で、テレビ画面とマイク、ヘッドホン、譜面台などがある完全防音の部屋だった。ガラス越しに機器をいじる岩本先生が見えるものの、何も聞こえない。先生が手元のスイッチを切り替えれば、ヘッドホンから先生の声が聞こえるようになり、マイクを使って会話できる。しかし、先生がスイッチを戻せば自分の声しかしなくなる。もちろん、声を録っているときは自分の声だけだった。
 
 自分の声を機械に通して聞いてみると、本当に自分の声なのかと疑わしく思えた。普段自分が聞いている声ともカラオケで聞く声とも違う。これが他人が聞いている自分の声なのか、と不思議な気分になった。そう考えると、今度は他人が見る自分の姿がどんなものなのか気になった。映像として残る自分ではない、ありのままの日常を過ごす自分はどんな風に見えているのだろうか。
 
 アフレコが終わり、編集作業をおこなっている最中、岩本先生は様々な話をしてくださった。その中で、アフレコ室での経験から声優の道を歩み始めた人がいる、という話が印象に残っている。今まで目指してきたものとは別の道を選ぶ。きっとそれは、自分という存在を改めて見つめ直さないとできないことだ。ねえ自分、私はこのままでいいと思う? もしかしたら、その人のドッペルゲンガ―が答えてくれたのかもしれない。
 
 
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三木亜由美(文芸表現学科・2回生)

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