文芸表現学科

十八の物語、十八の背景。─「第74回 京おどり in 春秋座」にてインタビュー企画をつとめた学生にお話を伺いました。

こんにちは、文芸表現学科です!

 

2024年4月6日(土)〜4月21日(日)に公演された「第74回 京おどり in 春秋座」。

宮川町の芸舞妓さんたちが総出演する春の伝統的な催しが、本学劇場・春秋座にて開催されました。

 

会期中、キャンパス内は、学生がデザインしたオリジナルグッズの販売や、京都の伝統技術を活用した商品・学生作品の展示など、さまざまな企画で彩られ、そのうちのひとつとして、宮川町の舞妓さん18名へのインタビュー企画を文芸表現学科の学生がつとめました

 

▲ひとりひとりのインタビューが、一冊ずつ冊子にまとめられました。携帯電話を持たず、故郷やお客様とのやりとりには直筆の手紙を用いる、そんな舞妓さんの伝統を連想させるようなデザインに。

 

 

今年で2回目となる、このインタビュー企画。

昨年4月に開催された「第73回 京おどり in 春秋座」での同企画の好評ぶりが功を奏し、めでたく今年も実施する運びとなりました。

 

▲昨年公演時の同企画の様子。企画をつとめた学生たちに、学生ブログライターがインタビューをしています。

2023年11月27日公開:京おどり企画に参加して ことばを受けとったひとの声【学生ブログライターによる執筆】

 

 

今年のインタビュー企画をつとめた、4年生・工藤鈴音さん、中島明日香さん、山口楓生さんは昨年に引き続いての参加となりました。

普段は、詩や短歌・俳句などの創作活動から、ノンフィクション作品の執筆、雑誌編集から展覧会メディエーターまで幅広く活躍する三人。

この「宮川町の舞妓さんへのインタビュー」は彼女たちにとって、どのようなものだったのか伺いました。

 

三人のお話があまりに素敵だったので、ここからは、彼女たち自身のことばを、そのままの形でみなさまにお届けします。

 


 

Q1.インタビューされた方のなかで、印象的だったエピソードは?

 

「守られたものをつないでいく」という意志──工藤鈴音

 

とし菜穂さんのインタビューが印象に残っています。

去年は別の方がとし菜穂さんのお話をまとめていましたが、お話をお聞きする場にはわたしも一緒にいました。

そのときから、大人しいけれど、芯のあるとし菜穂さんにとても魅せられていて、今回お話を聞かせていただいた際もやわらかいことば遣いでゆっくりと伝統文化に対する愛を語ってくださったこと、その姿がとても印象に残っています。

 

わたしがお話をお聞きした舞妓さんは「お姉さんへの憧れ」がこの世界に入るきっかけですと語っていらっしゃった方が多い印象でした。

そんな中、とし菜穂さんは中学からはじめられた琴や三味線がきっかけで、伝統文化に興味をもち、舞妓さんになりましたというお話をされていて、おっとりとした雰囲気のなかに「守られてきたものをつないでいくんだ」という強い意志を感じました。ことばだけでなく、ふるまいもおしとやかで、彼女自身が舞妓さんになることでその想いを体現されているところに感銘を受けました。

 

伝統工芸にも興味をお持ちで「着物や、かんざしなど、普段、完成された状態で舞妓さんが身に着けているものがつくられていく過程や職人さんの想いを知りたい」というお話をお聞きして、その「つくられたもの」だけではなく「つくられるまで」も大切にしていきたいという姿勢に、舞妓さんらしさというより、とし菜穂さんらしさをつよく感じて、とし菜穂さんが愛される理由がわかった気がしました。

 

 

何気ない振る舞いのひとつひとつに舞妓さんとしての日々がある──中島明日香

 

富美唯さんがおっしゃっていた、中学校の元担任の先生とのエピソードが印象に残っています。

その先生とは舞妓さんになった現在も手紙のやり取りをされているほど仲が良く、帰省された際にもお会いしたのだそうです。

そこで富美唯さんがつい「~どす」と言ってしまったのを聞いて「ちゃんと向こうでやってるんだなあ」と返された、というお話をお聞きして、なんて素敵なんだろうと思いました。

 

何気ない振る舞いのひとつひとつに舞妓さんとしての日々が乗っかっているのだな、そしてそれがちゃんと伝わるのだなと感動して、ここをぜったいに載せたい!と記事を書き進めました。

 

 

夢見る姿がなによりの魅力──山口楓生

 

ふく凪さんの「目標は、毎日を楽しめるようになること」というお話が印象に残っています。

 

普段から、お座敷でも考え込んでしまってぱっと話ができない、と照れたようすでおっしゃっていたふく凪さんらしい、実感の詰まった言葉だと受け止めています。

いっけん簡単なことのようですが、些細な失敗をきちんと反省し、冷静に頭を巡らせ責任の持てる行動をする、ここまでできたうえで、日々を楽しいと感じられるようになれたら、と夢みている姿こそが、彼女のなによりの魅力だと感じました。

 

 

Q2.当企画には今回で2回目の参加ですが、改めて、「舞妓さん」にお話を聞くという体験についての感想や考えを教えてください。

 

学生の道でも、舞妓の道でも、「自分が選んだ道」を頑張れる人はかっこいい──工藤鈴音

 

今まで、同じくらいの年齢の方々にお話をお聞きすることがあまりなかったので、とても新鮮でした。

学生になることを選んでも、舞妓さんになることを選んでも「自分が選んだ道だから」と頑張れる人はかっこいいし、とても強いなと感じ、舞妓さんとして、まっすぐ努力をしている同世代の方々の存在やことばをうけて、自分も頑張ろうという気持ちになりました。

 

あたりまえのことですが、お話をお聞きして、舞妓さんに限らず、職業や役職などでこちらが勝手にイメージ付けてしまって、人としての一人ひとりのほんとうの姿を知らずに過ごしていることにあらためて気が付きました。

 

 

こんなにも踏みしめるように生きたことがあっただろうか──中島明日香

 

意思と実感をもってしっかりと人生を歩まれていることに、毎回衝撃を受けます。

 

取材させていただいた舞妓さんのほとんどが十代の方なのですが、あらゆる面においてとても深く思考されていて、こんなにも踏みしめるように生きたことがあっただろうかとインタビューが終わったあとでしばらくじぶん自身を振り返ってしまいました。

 

十五歳前後の年齢でひとり京都に住むことを決断し、現在進行形で密度の高い毎日を過ごしているからこそ出てくるのだろうなと感じることばがたくさんあって、ものすごく刺激を受けましたし、かけがえのない時間でした。

 

 

「文化の厚み」を伝えることのやりがい──山口楓生

 

京都という街の象徴である「舞妓さん」にかかるイメージや憧れが、同年代の少女たちひとりひとりの立ち振る舞いによって保たれ、数百年にわたり継承されている。この事実を目の当たりにし、お会いするたびに圧倒されます。

 

普段はなかなか耳にすることのない、淑やかな佇まいの裏にある個々の意志や学び。

これらをひとりずつまとめることで、多くの人々が人生をかけて守ってきた、文化の厚みが伝えられるかもしれない、とやり甲斐を感じています。

 

 

Q3.「お話を聞いて、まとめる」という工程で心がけていることはありますか?

 

相手の雰囲気まで感じとる──工藤鈴音

 

ことばはもちろん、その方の雰囲気も感じとってまとめていくように心がけています。

同じことばであっても、話し方やしぐさ、そのときの状況によってことばの意味がかわってくると思うので、そのニュアンスに違いがないように声をまとめていきたいなと思っています。

 

 

書き起こすだけでも、整えすぎでも伝わらない──中島明日香

 

漠然としているのですが、相手の表情や声色やその場に流れていた空気を少しでも多く残せるよう、また取材時にじぶんが受け取った感動をなるべくそのまま読み手にも共有できるよう意識しながら書いています。

 

音声と文字は違うので、そのまま書き起こした文章がいちばん伝わるというわけではもちろんなくて、けれど整えすぎると本来の意図から逸れてしまう危険性があるため、取材相手のことばや思考を尊重した記事になるよういつも試行錯誤しています。

 

 

声の抑揚や沈黙、相手が伝えたかったことを熟考する──山口楓生

 

録音した音声を聞き返しながら、取材中には気がつかなかった声の抑揚や沈黙などに意識を向けて、相手が最も伝えたかったことはなにか、なるべく熟考するようにしています。

 

今回は経験年数の異なる四名のかたを一度に取材させていただいたため、話しぶりや言葉えらびにもいくらかちがいがありましたが、話題を詰め込みすぎたり、内容がかたよってしまったりすることのないよう、尽力しました。

 

 

Q4.みなさんにとっての「京おどり」インタビュー企画とは?

 

地元から遠く離れた「京都」の地で、学生生活を送ったからこその経験──工藤鈴音

 

大学をきっかけに関東から、京都に来て、地元からこんなに離れた場所で学生生活を送る意味はあったのだろうかと思う瞬間がときどきありました。

でも、今回のように、京都という地で学生生活を送っていたからこそ、「舞妓さん」として日々頑張っていらっしゃる同世代の方の声をお聞きすることができて、その声を背景に舞妓さんがたくさん練習してきた舞やお三味線を目の前で観ることができて、京都に来てよかったなと思いました。

 

また、わたしよりももっと若い年でいろんなことを決断して生きている舞妓さんのたくましい姿をみて、とても背中をおされたので、舞妓さん方には感謝の気持ちでいっぱいです。この企画に参加し、ほんとうにいい経験をさせていただきました。

 

 

取材は難しくておもしろい──中島明日香

 

こころから光栄で、貴重な機会でした。

 

インタビュー企画に参加させていただいたおかげで舞妓さんの世界を直接お聞きして知ることができましたし、複数人に同時にインタビューを行った経験も記事を書いた経験もこれまであまりなかったため、さまざまなスキルが鍛えられました。

 

毎年学びや発見がほんとうに多く、取材って難しくておもしろいなあと思います。

 

 

遠い世界の話から、夢中になった──山口楓生

 

京都に何年か暮らしていても、舞妓さんや花街は遠い世界の話でした。

ですが、何名かの舞妓さんにお会いし、「京おどり」の舞台を観てみると、花街を知るまえに抱いていた緊張感はすっかり忘れて、僭越ながら、旧友や我が子を見守るような気持ちで夢中になっていました。

 

舞台上の凜とした姿に、それぞれの生い立ちや夢、日々のお稽古で生まれる葛藤やたのしみの数々を重ねると、集団で舞う舞妓さんひとりひとりの晴れ晴れとした表情から目が離せなくなる。

常連さんにとっての喜びもこういうことだろうか、と想像することができましたし、この美しさを、はじめて「京おどり」を鑑賞する方々にとっても味わっていただけるようなかたちで貢献できたことを、光栄に思います。

 

 

▲写真左から工藤鈴音さん、山口楓生さん、中島明日香さん。

 

工藤鈴音さん

とし菜穂さん、とし涼さん、菊しづさん、富美彩さんインタビュアー

 

山口楓生さん

ふく侑さん、ふく凪さん、ふく松さん、ふく美代さんインタビュアー

 

中島明日香さん

叶季さん、叶朋さん、とし倖さん、富美唯さんインタビュアー

 

 

 

 

 

(スタッフ・牧野)

 

 


 

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