- 2026年2月18日
- ニュース
アートプロデュース学科卒業論文発表会・受賞者発表2025!!
こんにちは!アートプロデュース学科です。
アートプロデュース学科では、4回生全員が学生生活の集大成として卒業論文の執筆を行い、卒業展で展示します。
そして、毎年卒業展の開幕に合わせて、執筆した卒業論文についてそれぞれが工夫を凝らしてプレゼンテーションを行う「卒業論文発表会」を開催します。今年は2/7(土)~2/8(日)の2日間に渡り、「卒業論文発表会」が行われました。
発表会にはアートプロデュース学科全学年の学科生が参加し、4年生の発表に耳を傾けます。さらにこの日は在学生だけではなく、来場者の方、卒業生、非常勤の先生方も集まってくださるので、発表にも気合が入ります。
展示会場でも発表会の様子をモニターで中継(見守る4年生たち)
4年生は質疑応答を含め1人につき25分の制限時間内で自身の論文をプレゼンします。限られた時間なので、一番伝えたいことが伝わるよう、しっかりと準備して臨みます。4年生のみなさん、本当にお疲れ様でした!
そして発表会の最後には、学科長の山下先生から受賞者が発表されました。2025年度の受賞者を紹介します。
🏆🎊🏆🎊🏆🎊🏆🎊
🏆学長賞🏆
岩田 麻菜美さん
「文化的な生活」は誰が決めるのか?――生活保護制度の理念と現実をつなぐ「窓口」の可能性――
👨🏫教員コメント
憲法25条の「文化的な生活」が描く豊かな理念と冷徹な制度基準の乖離。その境界において「窓口」が有する両義的な可能性を鋭くすくいあげたのが本論である。筆者は「窓口」を具体的事務の場に留めることなく、理念を具体的な生へと接続し、不断に更新し続ける「装置」として理論的に昇華させてみせた。裁量が孕む不公平の危険性を直視しつつ、なおそこに創造的な余白を見出そうとする姿勢は誠実で心強い。社会保障の現場に文化探求の灯火を見出すその視座は、人と社会を編み直すアートプロデュースの理念および実践と深く響き合っている。
林田新
🏆優秀賞🏆
原口 瑠智亜さん
「演じられる暴力」を問い直す――SMとサイコドラマが揺らす逸脱と治療の境界線――
👨🏫教員コメント
本論文は、治療として承認されてきたサイコドラマと、逸脱として排除されてきたSMを並置し、両者が「役割交換」「誇張」「距離化」「即興性」「二重化」などの共通構造を共有することを精緻に論証したものである。さらに「治療/病理」「暴力/ケア」という区分が歴史的・文化的言説によってつくられた可変的な境界であると示し、「演じる」ことを通じて主体と関係性を更新しうる可能性を提起した。現代のジェンダーと暴力の議論に、新しい考え方と語り方を与える成果として大きな価値のある研究である。
蔭山陽太
🏆奨励賞(3名)🏆
🏆長濱 枝音さん
語りに耳を澄ます――書籍『王滝村の生活史』を制作して――
👨🏫教員コメント
本を開く。深い森と険しい山々に囲まれた一つの村が立ち上がり、そこに生きる人々の姿が朧げに浮かぶ。ページをめくるごとに一人ひとりの輪郭は明瞭になり、それぞれの具体的な人生が現れ、やがて村の時間の流れに溶け込んでいく。長野県の過疎地域に暮らす16人への聞き取りをまとめた『王滝村の生活史』は、そんな胸がざわめく読後感をもたらす。20代から90代まで、移住者、嫁いだ人、生まれ育った人など、多様な人々の記憶や価値観を丹念に記録した社会調査として高く評価する。その上で、注目すべきは筆者が語り手の懐に深く入り込みながら、過疎地域に内在する諦観と希みを的確に掬い上げている点である。人が生きることそのものへの共感と敬意がここにある。
山下里加
🏆冨田 紫瑞花さん
生大喜利を「シリアスに」楽しむ意味――「ウケたい」と「スベった」を巡るコミュニティの意味――
👨🏫教員コメント
出されたお題に対して機知やユーモアのある回答を提示し、その面白さを競う「大喜利」を趣味的実践として捉え、参加者間において形成・維持される「熱意の循環」を分析した労作である。〈ウケたい〉という承認欲求を実践の起点としつつも、本論文が注目するのは、〈スベった〉という失敗経験、すなわち痛みを伴う局面である。筆者は参与観察と聞き取り調査を通じ、失敗の痛みが相互に共有され、回復されていく過程を明らかにした。さらに、参加者自身がイベントの企画・運営が、余暇活動を持続させる制度的条件として機能している点を指摘。文化的実践の場を支える関係性と循環の設計・可視化する営みとしてアートプロデュースを再定義する試みでもある。
山下里加
🏆永吉 透子さん
「だいたい」という余白――藤野可織『爪と目』における親密な他者――
👨🏫教員コメント
藤野可織の短編小説「爪と目」が描く母娘関係の「不気味さ」を、二人称「あなた」という言葉が孕む多義性から読み解いた意欲作である。本論は「あなた」という言葉のうちに「疎外」と「親密」の相克を鋭く描き出し、他者でありながら「だいたい、おなじ」地平を分かち合おうとする切実な関係性を浮き彫りにした。とりわけ、言語表現を話し手による統制の対象ではなく、聞き手という他者との協働により絶え間なく変奏され続けるものとして捉える本論の視座は、他者と共に意味を編み直していくアートプロデュースの真髄に触れているといえるだろう。
林田新
🏆同窓会特別賞🏆
WANG WENJUANさん
「見られる身体」から「語る身体」へ
――日中フェミニズム・アートと京都での展覧会企画を通じた身体経験の再解釈――
👨🏫教員コメント
本研究は、日中フェミニズム・アートを東アジアの具体的文脈で比較し、「身体変容/匿名化」という異なる表現手法が、抑圧への抵抗と女性主体の形成、そして社会批判へ結びつく過程を明快に示したものである。加えて京都で展覧会と交流会、朗読会を自ら企画・運営し、国や言語の壁を越えて身体経験や問いを持ち寄る場を成立させた。分断が深まる国際環境下で、日中の知と経験を往還させる対話の回路を研究に実装した点に、アートプロデュース学科の研究としてきわめて重要な同時代的意義がある。
蔭山陽太
🏆🎊🏆🎊🏆🎊🏆🎊
また、発表会では参加者の投票で優れた発表者を賞する「プレゼン賞」も選出されます。今年のプレゼン賞に輝いたのは、奨励賞受賞者の永吉透子さんでした。永吉さん、ダブル受賞おめでとうございます!そしてさらに、各教員が来場者におすすめしたい論文を選んだ「教員レコメンド賞」もサプライズ発表されました✨
🏆教員レコメンド賞🏆
山下賞:岩堀 楽さん
「愛・埋・身・mine 」 ――捨てられなさを包み込む――
林田賞:東田 美怜さん
思い出す身体――映画チケットのデジタル化と紙メディアの身体知――
蔭山賞:濱野 直生さん
日常と非日常から読み直す宮崎イメージ ――まなざしはどのように作られてきたか――
矢津賞:西谷 彩さん
ワークショッププログラム《どんどこ!巨大紙相撲》における関係育成の歩み――「チームの心理的安全性」からみる行動のつながり――
伊達賞:岡田 佳歩さん
自己言及のパラドックスという虚無――自己を如何に眺め変えていくのか――
以上、受賞された皆さん、本当におめでとうございます👏
受賞者の卒業論文要旨は学科ウェブサイトにも掲載していますので、是非ご覧くださいね📖(プレゼン賞・教員レコメンド賞を除く)
▶️アートプロデュース学科公式ウェブサイト 卒業論文 GRADUATE THESES
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