- 2015年12月10日
- 日常風景
【染テキ】よしおか工房に行ってきました!紅花体験
よしおか工房に行ってきました!紅花体験
今日は博士の野村がレポートします!
12月4日(金曜日)
染色家の吉岡幸雄先生の工房「染司よしおか」へ、野田先生と3年生と留学生のノーラさんと一緒に行ってきました。紅花染めを体験できるということで、長靴にゴム手袋持参でわくわくしながら向かいました。
よしおか工房は、京都で江戸時代から200年続く染屋さんです。よしおか工房では植物の実や樹皮、根などに含まれる色素で、布や糸、紙などをさまざまな色に染める伝統的な植物染めを行っています。閑静な住宅街にひっそりと佇む工房は、緑に囲まれ、ところどころに染料として使う植物が置かれていたり、庭には作業で使う「灰汁」を採るため藁を燃やす焼却炉がありました。
はじめに、紅花についてのレクチャーを聞きました。紅花は、エジプトからシルクロードを渡ってきた花です。日本では、山形県や三重県伊賀で盛んに栽培されてきました。7月に咲く、黄色の花を摘み取って乾燥させたものが染料になります。花びらには、黄色の色素と紅色の色素があり、黄色の色素を取り除いて鮮やかな紅色を染め上げます。冷たい水の中で揉み込まないと鮮やかな紅色が出ない為、よしおか工房では、12月から2月中頃までの真冬の時期に、毎日紅花染めの作業をしているそうです。
紅花を揉みだし、黄色を取り出す作業。吉岡先生の娘さんの更紗さんが、作業を見せてくださいました。紅花から出た黄色の水は捨ててしまいます。なんだかもったいない気もしてしまうけれど、美しい紅色を取り出す為には必要な作業です。
私たちは、庭の焼却炉で燃やしていた藁の灰汁を加えて、色素を揉み出す作業を体験しました。30分間の揉み出しを、4回繰り返しました。
もみもみ、みなさんとても楽しそう!
留学生のノーラさんもにっこり!
しかし、同じ体勢での作業は思っていたより大変で、だんだんとみんな無口になっていきました(笑)。根気のいる作業でした。
みんなのチームワークで揉み出した紅花液。この段階では、茶色に近い色味ですが、酢を加えると、一気に赤味がさします。まるで魔法のような現象!!
今回1kgの紅花を使いましたが、染められるのはなんとストール2枚!!!
紅色は、本当に贅沢な色だなとしみじみ感じました。このストールは、商品としてお店に並ぶそう。自分たちの手を介したものが、誰かの手に渡るなんてとても嬉しいです。
よしおか工房では、東大寺のお水取りの椿の造り花を奉納されています。毎年、東大寺の紅花和紙を作るために最低60キロの紅花を使うそうです。60キロもの紅花の紅色を、人の手で取り出しているのだと思うと感動して鳥肌が立ちます。技術と手間と時間によって、美しい色が生まれているのだなとわかり、何百年も続く色を今みることができる幸せを感じました。