写真・映像コース

【現代美術/写真】2013.05.22

2013:5:22

 

壁に貼られた料理のポスターと、その料理の実物が交互に目に入るたび
「違う…」という声が、私の頭の中でこだまします。

 

 

現在、現代美術/写真コース・3回生の水曜と木曜午後は、選択授業となっています。
授業の種類は
①現代美術の現場理解と自己編集—現代美術とは何か
②美術作品の撮影理論と実践
の、2つ。
私は②を選択しており、主に高原校舎のスタジオで写真撮影を行っています。

指導してくださっているのは、四方邦熈先生。

(穏やか、かつバイタリティ溢れる先生で、毎回楽しく授業をしてくださいます!)

 
とある日、この授業で行ったのが「料理の撮影」。俗に言う、ブツ撮りっていうやつです。
雑誌やポスター、広告に載っている料理のように、“美味しそうに見えて、食べたくなる感じ(シズル感)”を出すべく、撮影を黙々とやってみたのです。

 

…これが、まー、難しい。

 

例えばラーメンなんかは時間が経つと麺が伸びてしまうから、2分で撮るのが理想!だったり。
ハムなどの生ものも、空気に触れる時間が長い程、新鮮さが失われてしまうから、早く撮らなくちゃいけない。
また、具の並べ方、箸やフォークなどに対する食材の絡ませ方、食材の配置バランス…などで、

料理の見え方が変わってくるんです。それに加え、照明の当て方によっても見え方に影響が。
人の味覚にイメージを持たせるために、これらのことを瞬時に判断しながら

「美味しそうな見せ方」を探って撮っていくのかぁ…と、驚きの連続でした。

 

 

 

そんな経験の後の、冒頭の「違う…」。
以前はその違いの差から、ポスターの写真の美味しさの強調に負けた気がして、腹が立っていたんですが

自分が実際にやってみてからは変わったなぁ。
逆にとても感心するようになりました、写真と実物の差があればあるほど。

 

そう考えると、これから先。
いくら味や見た目に写真とのギャップがあろうと、そのときの感心に対してお金を払ってるんだと思えば

料理の味と見た目の件に関しては、チャラになるな。うん。

 

 
……うーん、それは違うか。

 

 

美術工芸学科/現代美術コース 3回生 唐鎌なつみ

 

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