マンガコース

マンガ学科卒業展2016 優秀作品紹介Vol.1

 

こんにちは。

副手の黒田です。

 

本日2/25より京都造形芸術大学の卒業展がはじまります。

本年度はマンガ学科から5人がデビューを勝ち取りましたが、その内4人は卒業展にも参加している

今年の卒業生です!

そんな例年を上回るクオリティーの今年の卒業展。

今日から3回に分けて優秀作品に選ばれた9人の学生とその作品を紹介したいと思います。

 

奨励賞 夘野 秀明

『俺の卒制』

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作者による作品コメント

これを読んだ方々がプラスだろうがマイナスだろうが何らかの感情が生まれれば僕の皮も報われます。

 

教員コメント

 本作は「君の瞳にコイしてる!」、「吸われてぇ~」、「GOOD BYE MY SKIN」の3作品で構成されている。
どの作品の主人公も作者本人をモデルにして描かれており、一見ギャグマンガなのだが、主人公は至って真剣。だからこそ、そこに人間味が感じられて面白いのである。
どの作品も秀逸で「吸われてぇ~」は小学館『スペリオール』で優秀賞を受賞し雑誌デビューを果たした作品であるが、ここでは自分の実体験を赤裸々に描いたエッセイマンガ「GOOD BYE MY SKIN」を一番に押したい。読者を選ぶ作品ではあるが、自分の恥部をさらけ出す勇気と経験者だからこその描写は作者ならではのものであり、連載作家になる可能性を感じさせる。

 

 

 

奨励賞 此平 聖菜

『百転び∞起き』

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作者による作品コメント

ADHDという発達障害をテーマにしたマンガです。学生時代に感じる違和感や苦しみを、3つの年齢ごとに描きました。原因のわからない違和感や孤独に苦しみを感じている学生の方に、触れてみてほしいです。

 

教員コメント

ADHD(注意欠陥・多動性障害)を正面から扱った作品である。
ADHDは目に見えない障害とも言われ、理解が難しい症状である。作者は担当教員にADHDの症状を何度も何度も話し、この作品を描く意義を説明したが、相当大変であったに違いない。ADHDは誰にでもあてはまる症状が多い。そのため当事者の苦しみに気づかず、「そんなの誰もがあるから大丈夫」と簡単に答えてしまう。そこに彼女は危機を感じ、この作品を描くに至った。
ADHDの専門であるこども芸術学科の浦田先生に3年次の学生作品展から相談し、卒業展では一人の主人公を通した小学生から大学生までの作品に仕上げた。この作品の完成によってやっと彼女がADHDをマンガで描く意義を説得させられた。

 

 

 

奨励賞 長谷川 楓

『出逢う』

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作者による作品コメント

キャラに自分自身を重ね、気持ちを言葉にして伝えることの重要さと難しさを表現しました。キャラの表情、動きはもちろん、セリフやモノローグも丁寧に描きました。

 

教員コメント

 誰にでもある青春時代。でもそれは十人十色…さまざまな出会いがあり、それぞれの想いがある…。初恋…恋愛…そして…大人のそれとはまた違う、異性とのふれあい。言葉を交わすだけで幸せを感じる、そんな時の過ごし方。
今、まさにその時代を通り過ぎようとしている作者がキャラクターに想いを乗せ、語らせ…声を聴かせてコミュニケーションを図る…。
答えのない時代の心の機微をキャラクターを通して甘く切なく描いたこの世界は“青春時代の宝物”…そんな作品である。

 

 

今回の3作品はジャンルも絵柄も様々です。

夘野くんと此平さんは物販で冊子も販売しています。

もちろん、会場に足を運べば三作品とも自由に閲覧できるようになっています。

3/5まで毎日9:00~18:00まで開かれていますので是非卒業生の4年間の成長を肌で感じてください。

 

よろしくお願いします!

 

 

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