- 2013年6月10日
- 日常風景
学生紹介01 Choi Cheol-Jin
Choi Cheol-Jin(チェ・チョルジン)くんは、韓国からやって来た交換留学生です。
Korean National University of Arts(通称K-ARTS)のクリエイティブ・ライティング学科の4年生ですが、
今年4月から8月末までのあいだ文芸表現学科で学びながら、日本語で小説を書くことにも挑戦しています。
京都に来て2ヶ月が経ちましたが、どうですか。
ほんとうに気に入りました。静かだし、京都は現代的な都市の雰囲気と、日本の歴史的な雰囲気とが融合していて、私にはとても合っているなと思っています。実はおととしに一度、旅行で京都に来たことがあるんです。そのときにとても京都の雰囲気が気に入ったので、交換留学を希望しました。こちらに来てから、いくつものお寺をまわっています。清水寺、金閣寺、銀閣寺、東寺、西本願寺、東本願寺、三十三間堂、青蓮院、永観堂などです。どこも同じようではあるけれど、一つ一つ雰囲気がちがっていてとても面白い。個人的には銀閣寺が好きですね。
日本で学ぼうと思ったいちばんの理由は何ですか。
京都に来たかった、というのがいちばんですが、日本の小説や漫画や物語が昔から好きでした。村上春樹や大江健三郎、芥川龍之介、いまは政治家ですが石原慎太郎の『太陽の季節』も読みました。あとは柴田錬三郎や吉本ばなな、江國香織も読みます。漫画だと、『ドラゴンボール』、それに浦沢直樹はぜんぶ読んでますね。『モンスター』がいちばん好きです。他には伊藤潤二の『うずまき』とかですね。
韓国の大学のことを教えてください。また、京都造形芸術大学の授業はどんな印象を持ちましたか。
Korean National University of Arts(K-ARTS)には、音楽、演劇、TVマルチメディア、ダンス、ビジュアルアーツ、伝統芸術と6つのスクールがありますが、さらに「Inter-School Division」というスクールがあり、6つの分野を横断的に学びながら、さまざまな学生が出会い、さらに新しいものを創造することを目指すということになっています。私が所属するクリエイティブ・ライティング学科は、このInter-School Divisionに含まれているので、美術史も学ぶし、韓国や日本、欧米の漫画研究をしたり、伝統舞踊の授業で踊ったりもしています。
クリエイティブ・ライティングの学生は、1学年に5名しかいません。先生は小説家や詩人、評論家などがいます。授業は毎週毎週互いの作品を読んで、意見を交換し合います。最初の頃は、とても楽しかったのですが、違う刺激も欲しくて日本に来ました。日本では、とにかく学生が多いことが新鮮です。意見交換するにしても、多くの意見をきくことができます。また、実技だけじゃなくて「文芸メソッド」のように、講義形式で小説の書き方を学ぶことができるのも面白いと思いました。
チェ君は、どんな小説を書いているのですか。
韓国の学生たちはいろいろな小説を書いています。テーマも構造も。私の場合は、奇抜なものと言うのでしょうか。たとえば星新一とか、村上春樹のような小説を書いています。奇抜はちがいますか? 斬新? 新鮮? 日本語はまだ難しいです(笑)。
韓国では小説のコンテストがあって、受賞者の作品を集めた本が出版されています。私の小説も、アンソロジーですが2冊出版されています。日本に持ってきているので、研究室に1冊ずつ差し上げますね。
将来はどんなことをしようと考えていますか。
また日本に来て、日本美術史を学びたいと思います。できれば来年とか、再来年に留学できれば良いのですが、お金と相談です。本を読んだり、小説を書いたりするのは、もちろんやります。それは自分の基本だから。だから、それ以外のことをいろいろやってみたいと思っています。
(2013年6月7日 聞き手・たけうち)