文芸表現学科

辻仁成集中講義 春

 
5月末に、辻仁成先生の集中講義が行なわれました。
辻さんはふだんパリに在住されているため、
授業は年に数回にわけた集中講義の形で開講しています。
 
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この日までに与えられた課題は、原稿用紙10枚程度の掌編小説でした。
集まった小説は21本。そのなかから、「突っ込みどころの多い小説」が選ばれて、
公開の添削指導が行なわれました。
 
主語と述語をしっかり対応させる、
なるべく簡潔な文章にする、
出来事と語りの時間関係をはっきりさせる、
書く前にイメージを強く持つ、
などなど、どの学生も共通してもつ問題点について、
具体的な添削が入っていきます。
 
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そして、長編小説と短篇小説の特徴やちがい、
辻さんが経験から獲得した、それぞれの書き方の秘訣についてと、
話はどんどん広がりました。
 
右側の吊り橋のような絵や、左側の○が
小説の構造や、全体と細部の関係を表しているのですが、
詳しくは授業を受けた人だけの秘密です(笑)。
 
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ちなみに、「オレ、漫画も書けるんだよ」と話の途中でスラスラと書き出した辻さん。
面白かったので写真を撮ったら、「何に使うの?」と言われましたが、
ちゃんと許可をもらって掲載しました。
 
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次回の集中講義は7月の予定です。
つぎは全員が同じタイトル、同じ設定のもとで掌編小説を書きます。
舞台は京都、季節は夏。主人公の男女は大学生で、名前も決まりました。
そこまで同じ設定でも、きっとさまざまな小説が生まれてくるよ、
と辻さんは言います。
 
みんなの作品が楽しみです。
  
(文・たけうち)

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