和の伝統文化コース 藤ノ木 紀子
江戸時代後期に上方で出版された『都風俗化粧伝』との出会いは、私が4年前に芸術教養学科を卒業時の卒業研究の「小町紅」であり、江戸の化粧に興味を持つきっかけとなった本である。
この本は現代に通じるような化粧法や漢方(本草学)などに由来した美肌作り等が挿絵入りで書かれており、当時の女子必読の総合美容指南本で、大正時代まで100年余り読まれた本であった。
本研究で、その理由を本草学との関連性から明らかにしようと考え、本の中で「どうすれば美しくなれるか」を具体的に示している各項目の校註から『本草綱目』の関連を抜き出した80項目と、当時の京都の本草学者小野蘭山著『本草綱目啓蒙』からの該当を抜き出し、一覧表にした。
またこの本の作者佐山半七丸、挿絵速水春暁斎が、当時上方の知識人ネットワークにより本草学の知識を広げ『都風俗化粧伝』に繋がったのではないかという仮定を立て、先行研究などから本草学関連の知識人の交流を日記や記録などから時系列に示し、また上方の知識人たちの交流を人物相関図を記すことで本草学の広がり可能性を示した。
これらは本研究の要であり、大変根気のいる作業であったが注力し完成することが出来、安堵した。
江戸時代の美容指南書『都風俗化粧伝』からの一考察
―本草学との関わりー
東京都
藤ノ木 紀子
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