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芸術学コース 西村 淳

オーストラリアの先住民族であるアボリジナルの人々は、神話上の祖先の行為(旅)、そしてそこで創生された景観、動植物、道徳などすべてをドリーミングと呼び、それを祝福しそこに接近する手段として絵画や彫刻などさまざまな芸術表現を行ってきた。元々のアボリジナルの人々による絵画は儀礼のために制作され、儀礼の進行において破壊されるか自然に消滅するままに置かれるようなものや、ボディ・ペインティングや砂絵のように人体や土地に直接描かれるなど恒久性がないものが多かったが、1970年代以降にカンヴァスや板にアクリル絵具でドリーミングを描くことが広がったことで、それまで砂に刻まれ、身体に描かれ、聖なるものに編み込まれる非永続的な構成物だったものが、外の世界に向けて入手可能なものとなっていった。本論文では、このように「外の世界」でも入手可能になったアボリジナルの作家によるアクリル絵具で描かれた作品を「アボリジナル・アート」と呼び、このアボリジナル・アートが現代アートという文脈の中でどのように評価されているかを考察する。


東京都

現代アートにおけるアボリジナル・アート―脱「風景」的自然表象―

西村 淳

芸術学コース

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