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アートライティングコース 勝水 優子

思えば、ずっと私は怒っていた。氷河期といわれた学生時代、文系女子にまともな就職先はないと鼻で笑われた。就職したら毎日のお茶出しで半日が過ぎた。転職し育休から復帰したら頼んでもないのに「戦力外ってことにしておくから!」と人事部の男性に笑顔で言われた。女というだけで社会の中心から外されることに心底うんざりしていた。もちろん、男性もその役割を押しつけられる苦しさはあるだろう。しかし、履かされた高下駄のグラつきに感じる不安と、必死に手に入れたペタンコ靴ですら脱がされ足を地に埋められ身動きが取れなくなる絶望には大きな差があると私は思う。
マキエマキの創作に対する原動力のひとつは怒りだ。相手の人格を無視し、己の性的欲求を満たすために近づいてくる男たちと、それを許す社会構造への怒り。それは私の中に沈む怒りとリンクして、初めて見た時は体の内側が細かく泡立つ感じがした。自分の感覚や感情と、作品の持つ芸術性や特質とを言葉で近づける作業は想像以上に難しかった。けれど、ずっと抱き続けてきた自分の気持ちに向き合えた気がしている。とはいえ100年先には、マキエマキの作品が純粋に笑えるものになっていることを願っている。


愛知県

マキエイズムとフェミニズムーー二本足で立つエロの未来

勝水 優子

アートライティングコース

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